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沖縄現代史家新崎盛暉が説く構造的沖縄差別

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構造的沖縄差別がどのように作られてきたのかを米軍基地と沖縄県民の闘いの歴史を通し、検証

著者	新崎　盛暉著
ジャンル	沖縄関連書 > 沖縄
出版年月日	2012/06/14
ISBN	9784874984833
判型・ページ数	4-6・160ページ
定価	本体1,300円＋税
在庫	品切れ・重版未定

この本の内容

沖縄が本土へ復帰してから2012年5月15日で40年。
いまだ在日米軍基地（専用施設）の74％が沖縄に集中。
普天間基地も動く気配すらない。

5月9日、奇しくも沖縄タイムスと朝日新聞、琉球新報と毎日新聞がそれぞれ共同世論調査の結果を掲載しました。

前者の調査では、「沖縄は差別されているか」の問いに、沖縄ではそう思うが５０％、本土では２９％。
後者では沖縄６９％、本土３３％とどちらも同じような結果を示しました。

県民の意思に反して、なぜ、沖縄の米軍基地はなくならないのか？

本書では、その構造的沖縄差別がどのように作られてきたのかを米軍基地と沖縄県民の闘いの歴史を通し、検証しています。

沖縄現代史のパイオニア、沖縄闘争の伴奏者、新崎盛暉がいま、沖縄から安保の本質を問う！

追悼と謝辞：新崎盛暉さんを偲んで

●担当編集者より

沖縄県民の願いは、米軍基地の移設を拒否すれば強要されることがない他県の国民と同様に、沖縄にも強要しないでほしい、沖縄の民意も、他県と同じ重みでくみ取ってほしいということです。
なぜ日本政府は沖縄に民主主義を適用しないのでしょう。
こうした政治の現実に対して、いま多くの人が「構造的沖縄差別」という表現を使わざるを得なくなっています。

（山本）

はじめに
　　　構造的沖縄差別とは何か
　　　「抑止はユクシ（嘘）」

Ⅰ戦後の日米関係と沖縄
　１　占領政策における日本・沖縄の位置づけ
　　　対米従属的日米関係の出発
　　　「目下の同盟者」
　２　構造的沖縄差別の上に確立された戦後の日米関係と復帰運動
　　　対日平和条約第三条と日米安保条約
　　　「島ぐるみ闘争」へのヤマト民衆の共感
　３　安保改定と構造的沖縄差別
　　　六〇年安保改定と沖縄
　　　安保改定よりもまず復帰
　　　ベトナム戦争と沖縄
　　　経済大国から政治大国へ
　４　沖縄返還と安保問題の局地化
　　　買い取られた沖縄
　　　基地負担の代償
　　　米軍用地の強制使用と反戦地主

Ⅱ東西冷戦終焉後の沖縄の位置と民衆の闘い
　１　一極支配を目指す米国・安保「再定義」と普天間問題の焦点化
　　　少女暴行事件・米軍用地強制使用・東西冷戦の終焉
　　　普天間返還と安保「再定義」
　　　辺野古沖二キロから沿岸へ
　２　政権交代の挫折と新局面を迎える沖縄の闘い
　　　ブッシュ政権の対テロ戦争の下で
　　　民主党の「沖縄ビジョン」
　　　オバマ政権への期待と「目下の同盟者」
　　　県議会決議から県民大会へ
　　　鳩山政権の挫折
　　　沖縄県知事選挙のキイワード
　　　「辺野古」か「普天間固定化」か
　　　米国の財政破綻と議会の動向
　　　改正沖縄振興法と軍用地跡地利用推進法
　　　宜野湾市長選挙の敗北
　　　突如浮上した米軍再編見直し
　　　多様化する米国内論議との対話

Ⅲ中国の大国化・日米同盟の空洞化・東日本大震災
　１　尖閣諸島（釣魚諸島）問題から何が見えてきたか
　　　（1）日米中関係の変化
　　　尖閣問題とは何か
　　　経済的相互依存と軍事的対抗関係
　　　（2）国家固有の「領土」か地域住民の「生活圏」か
　　　尖閣領有問題の発端
　　　中国領有論の由来
　　　沖縄・石垣にとっての尖閣諸島
　「国家」にとっての「領土」
　　　領土問題解決への道
　２　国境地域は辺境か平和創造の場か
　　　台湾に近い与那国
　　　与那国の「自立ビジョン」
　　　開かれる国境・閉ざされる国境
　　　八重山の教科書問題
　　　国境を越える民衆の交流と相互理解を深める発信を
　３　東日本大震災をどうとらえるか
　　　「偽りの平和」と「偽りの豊かさ」
　　　大震災を国際緊張緩和の転換点に
　　　「思いやり予算を被災地へ」

Ⅳ構造的沖縄差別克服の可能性をどこに見出すか
　１　世論調査とメディアの論調から見る日米安保・沖縄
　　　沖縄における安保認識
　　　「鳩山の辺野古」と「菅の辺野古」
　　　流動的な安保観
　　　停滞する時代状況と民衆意識
　　　ヤマトの世論を変えた沖縄の闘い
　２　ヤマトからの介入、ヤマトとの連帯
　　　地元対策担う「土民軍」
　　　辺野古・高江の闘い
　　　沖縄意見広告運動
　　　ジュゴン訴訟
　　　米軍再編推進特措法と「ふるさと納税」
　３　国際的な広がりの中で
　　　韓国と沖縄の反基地闘争
　　　東アジアと共に
　　　沖縄から国連へ

あとがきにかえて