観光コ-スでない沖縄

戦跡・基地・産業・自然・先島

著者 新崎 盛暉
謝花 直美
松元 剛
前泊 博盛
亀山 統一
仲宗根将二
大田 静男
ジャンル 沖縄関連書 > 沖縄
社会 > 紀行
シリーズ 観光コースでないシリーズ
出版年月日 2008/06/23
ISBN 9784874984048
判型・ページ数 B6・320ページ
定価 本体1,900円+税
在庫 在庫あり

初版発行から25年に渡り読み継がれてきた『観光コースでない沖縄』の3度目の改訂は、
執筆者、内容構成を大きく変更。
最良の第一線執筆者が、揺れ動く「今日の沖縄」の素顔を伝える。
それは「日本」へのメッセージでもある。
沖縄をぬきにして、
「日本」は見えてこない。


追悼と謝辞:新崎盛暉さんを偲んで

Ⅰ 日本にとって沖縄とは何か   ◆新崎盛暉
「琉球処分」─日本に組み込まれた琉球11
沖縄戦─本土防衛の防波堤13
占領下の沖縄─進む軍事要塞化16
対日講和と沖縄〝屈辱の日〟18
島ぐるみ闘争─沖縄民衆の抵抗運動19
沖縄返還─新たな安保体制の強化22
「安保再定義」と沖縄民衆25
米軍再編─負担軽減を口実にした軍事的一体化28
歴史認識と現在─沖縄社会の危機意識31
Ⅱ 沖縄戦の跡をたどる   ◆謝花直美
  1沖縄戦を象徴する「集団自決(強制集団死)」37
海上特攻基地の島々/座間味島の惨劇/島民の半数が犠牲に─慶留間島/四五年三月二八日─渡嘉敷島/「集団自決」の背景/住民虐殺と「集団自決」
  2沖縄戦への道程47
沖縄守備軍の創設/老幼婦女子に犠牲を強いた県外疎開/対馬丸と対馬丸記念館/十・十空襲/兵力不足を補った根こそぎ動員
  3米軍、沖縄島に上陸54
空襲、艦砲射撃そして無血上陸/人間の生と死=チビチリガマとシムクガマ/米軍の住民保護
  4沖縄島・中部の戦場59
嘉数高地の攻防/前田高地の激戦/シュガーローフを巡る白兵戦/首里城の軍司令部/日本軍、南部への撤退
  5沖縄島・南部の戦場67
南風原の沖縄陸軍病院壕/公開された二〇号壕/見捨てられた傷病兵/ガマと軍民混在の戦場/要塞となったアブチラ・糸数壕/県庁が移ってきた轟の壕/ガマの中の闇が語るもの/戦場を彷徨した住民たち
  6戦場に動員された学徒たち81
根こそぎ動員/中学生兵士「鉄血勤皇隊」/女子学徒がみたもの
  7沖縄島・北部と離島の戦場88
ゲリラ戦─六月二三日で終わらなかった戦争/日本軍による住民虐殺/収容所生活/沖縄戦の縮図─伊江島
  8見えない戦争93
愛楽園の沖縄戦/連行された朝鮮人「軍夫」「慰安婦」
  9戦跡が問いかけるもの98
魂魄之塔と摩文仁丘/平和の礎/沖縄県平和祈念資料館/九条の碑と戦跡
  ●教科書検定─「集団自決」をめぐるせめぎあい107
沖縄戦の真実と歪曲/消された日本軍の強制/体験者のこころ、県民の思い
Ⅲ 軍事基地をあるく   ◆松元 剛
  1軍事優先の牙115
米軍ヘリ墜落、傍若無人な現場封鎖/向けられた銃口、奪われたカメラ/「良き隣人」と「軍事優先の牙」
  2在沖米軍は何をしているのか120
世界をにらむ拠点/在沖米軍の任務分担/特殊部隊の巣窟/日本政府が解決の壁に
  3基地の中の沖縄─空も陸も海も127
米軍が握る沖縄の空/血であがない強奪─米軍の基地/データで見る基地負担
  4沖縄島・中部地区の軍事基地133
【沖縄の玄関口】=軍民共用、限界の那覇空港/有事に使われる那覇軍港/米本国で禁止の低周波ソナー/基地跡利用の可能性と沖縄戦の影
【牧港補給地区】=戦争支えた物資補給拠点
【市街地のど真ん中の普天間飛行場】=常駐機七一機/米本国では不適格飛行場/イラク戦争で空っぽに
【キャンプ瑞慶覧】=ゴルフボール/充実した福利厚生
【キャンプ桑江・海軍病院】=一〇年分の保存血液
【嘉手納基地】=復帰後八機のF15が墜落/極東最大の戦略基地/安保の見える丘/目にあまる機能強化/コミュニティも崩壊
【嘉手納弾薬庫】=劣化ウラン弾貯蔵、核疑惑絶えず
【読谷村内の基地】=トリイ通信施設/反戦地主と読谷村役場/九条の碑が建つ村庁舎
【ホワイトビーチ】=桟橋を拡張、出撃拠点機能増強
【キャンプ・コートニー、マクトリアス】=英雄の名を冠する基地
  5沖縄島・北部地区の軍事基地161
【キャンプ・ハンセン】=実弾射撃場と榴弾砲訓練/危険な訓練施設と住民のせめぎ合い/イラク派遣の特殊部隊も/日米「軍事融合」の先端
【キャンプ・シュワブ】=イラク派遣の主力部隊/弱者にのしかかる重圧/死んだはずの移設計画再び/大浦湾の危機
【辺野古弾薬庫】=毒ガス貯蔵庫
【北部訓練場・ジャングル戦闘訓練センター】=ゲリラ戦学ぶ訓練場
【伊江島補助飛行場】=相次ぐパラシュート降下ミス
  6米軍再編と沖縄の自衛隊178
「アメ」と「ムチ」/得するのは米軍だけか/沖縄の自衛隊
  7基地負担の源流─地位協定と基地汚染184
思いやり予算─世界一の米軍厚遇/排他的管理権って何?/跡利用を左右する環境問題
Ⅳ 沖縄の産業・経済自立への道   ◆前泊博盛
  1基地と財政に依存する島193
課題山積の沖縄経済/沖縄振興開発計画の光と影
  2高い失業率が示すもの197
全国一の失業率と低い給与水準/急増する人口と雇用のミスマッチ/数字に「見える」貧しさ、「見えない」豊かさ
  3変化する産業構造と「3K経済」206
伸び悩み低迷する製造業/増加するサービス業/衰退する農業と3K経済/沖縄観光─「慰霊」から「リゾート」へ/課題の多い沖縄観光/莫大な公共事業を検証/沖縄振興予算と「ザル経済」
  4基地経済の呪縛221
米軍統治と基地依存経済/基地依存経済の本質/自治体も基地収入に依存
  5〝脱基地〟と〝基地依存〟の明暗226
基地オアシス論/脱基地─北谷町の場合/基地依存─名護市の場合/米軍基地との「共生」がもたらすもの
Ⅴ 沖縄の自然危機と再生   ◆亀山統一
  1多様な日本の自然環境233
本土から沖縄へ、移り変わる景色/亜熱帯の島へ
  2亜熱帯・沖縄の自然235
海の生態系─生物がつくりだした自然/沖縄の森とマングローブ/高島と低島/山・川・海の絶妙なバランス
  3沖縄の自然を破壊するもの242
軍事は全てに優先する/軍事基地再編のための港湾「整備」/沖縄型開発の典型/「松くい虫」と沖縄/分断されるやんばるの森/離島ブームの八重山
  4破壊から再生へ258
「国策」による自然破壊/いまできること
Ⅵ 宮古の歴史と風土   ◆仲宗根將二
  1宮古を知るために262
宮古と八重山─類似と相違/首里王府の支配と人頭税/宮古の「沖縄戦」
  2「あららがま精神」の系譜266
首里王府の収奪と「百姓一揆」/人頭税廃止運動/米軍占領下の密貿易/戦後民主化運動の台頭/宮古教育基本法と自主作成の教科書
  3巨大開発への疑問と疑惑273
離農する農家と土地の買い占め/「開発」という名の自然破壊/宮古・下地島両「民間」空港と米軍機の飛来/港湾拡張と「シーレーン防衛」の影/シマおこしの新しい波
Ⅶ 八重山の歴史と風土   ◆大田静男
  1多様な文化を育む歴史284
美しい街並みの島々/八重山の先史時代/グスク時代の八重山/薩摩の侵攻と人頭税/甚大な被害をもたらした大津波/八重山の祈り、祭り、歌
  2近代の荒波と産業の●り295
琉球処分と八重山/西表島の炭坑/日本政府の近代化政策/八重山開墾と製糖業/台湾人入植とパイン産業
  3八重山での沖縄戦304
「みのかさ部隊」─離島の総動員体制/戦争マラリアの惨害
  4押し寄せる開発の波の中で308
開拓移民の島/本土復帰と大規模開発の波
 
本書『観光コースでない沖縄』の〝履歴〟について 高文研










(編集者より)
厚い本になってしまいました。目標は200ページ台で仕上げることをめざしましたが、結局320ページになりました。350ページを超えていた第3版よりは、少しスリムになりましたが、中身はより凝縮されています。

 3版を出してから11年目に4版になりました。2006年5月に3版の9刷を作るときに、次は増刷でなくて「4版にする」ということは、暗黙の了解事項でした。
 2007年になり、そろそろ4版の準備を始めようかと思っていました。そんな5月、ずっと八重山の項目を執筆していた金城朝夫(友寄英正)さんの訃報を、沖縄の新聞で見つけました。
 石垣島を訪ねたとき、いろいろ案内をしてもらいました。また東京で講演会などを企画したこともありました。気骨のジャーナリストでした。
 残念ながら、金城さんに4版の原稿をお願いすることはできなくなりました。このときは、八重山の執筆者をどうしようかということだけでした。
 その後、沖縄で、東京で3版の執筆者の新崎盛暉さん、大城将保さん、長元朝浩さんなどと4版についての相談をするうちに、初版から20年以上過ぎているので、八重山だけでなくほかの執筆者も、極力バトンタッチしようとなりました。候補者をあげ、執筆打診の作業が続きました。
 ならば一部構成も見直そうとなり、3版まであった文化をはずして、自然を入れることにしました。
 こうして構成と7人の執筆者が固まったのが10月でした。第4版の事実上のスタートが切られました。

 ここで非常にやりにくい作業が始まりました。3版の執筆者というより、「観光コースでない沖縄」に最初から執筆いただいていた6名の方に、4版の刊行と執筆の交代をお知らせすることでした。およそ25年、高文研の沖縄関連書の最前線を走ってきてくださった方々でした。いい4版を作って、出来上がった本を見ていただくことだと、言い聞かせながらの作業でした。

 4版の執筆者も沖縄の第一線の記者と研究者ですので、日々の業務の中での執筆です。2008年1月の仕事初めの日に、最初の原稿が到着。以後、さみだれ的に到着し、何度もやり取りをした方もいました。
 ほぼ3月末で原稿、写真、図版などを確定、後は完成に向けて走りました。5月末には見本ができて、6月23日の沖縄慰霊の日の前には沖縄の書店にも並べることができました。
(東京から沖縄へ、書店に並ぶ書籍は船便で運ばれます。従って、東京からは1週間程度、遅れてしまいます。)

 写真、図版を111点入れ、「沖縄の今」を伝える最良の筆者による第4版を見た朝日新聞のO記者からは、「執筆者の変更振りに驚いた」と、一報をいただきました。
 6月末に琉球新報社の社長に就任した3版の執筆者・高嶺朝一さんは、カバーから名前が消えてさみしいと言っていました。いろいろなメッセージをいただいています。

 発売からおよそ1か月、増刷の作業に入っています。3版までをお持ちの方も、ぜひとも手に取ってください。25年、沖縄は何が変わり、何が変わらないのかを確かめてください。



(山本)

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