しあわせな放課後の時間

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デンマークとフィンランド。訪れた学童保育所では子どもが大切にされ、広い庭や工作室、ピザ用のかまどなどを持ち、充実した放課後を送る。
フィンランドでは指導員は国家公務員の身分で、学校の教師と同等の資格を持ち、発達援助の専門職と位置づけられている。
学校でも、子どもたちは学校運営のために大人の話し合いに代表を出し、授業は少人数で、子ども同士教え合い学び合う姿があった。
「幸せな学童保育の姿」のヒントを求めた、学びの視察記。

臨床教育学者・庄井良信先生の解説つき

 

 

 

 

【編集者より】

この本のはじめに

第１部　デンマークの学童保育　　　　　　　　　石橋裕子

はじめに
国のかたち　デンマーク
デンマークの基礎データ

Ⅰ　デンマークの国のあり方と考え方
１　コペンハーゲン到着
２　日欧文化交流学院
●対話の授業
コラム　スカンジナビア航空のキャビンアテンダント
コラム　驚きの自転車

Ⅱ　デンマークの小学校と学童保育
３　コングスロン国民学校五年生
●学校妖精
４　コングスロン国民学校　学童保育
コラム　不登校のないデンマークの学校
５　０年生
６　オトオップゴーデン知的障がい者作業所
７　バッケゴー国民学校
●ランチタイム
●掃除
●高学年の様子
●学校の中のカフェ
●歯医者さん
●低学年学童保育
●労働時間
８　グレナス・ミーナ・プロジェクト学校
コラム　保育ママ

Ⅲ　議員も務める教師のいる学校
議会が身近にある政治のしくみ
９　クリスチャンハウン国民学校
●八年生
●ヤコブ先生
コラム　日本人ママから見たデンマーク
コラム　男女分担の家事労働
10　移民のこどもが多く通うセレスモスコーレ国民学校
コラム　デンマークの医療・出産
11　ペタゴーであり市議会議員でもあるマリアン
12　ホーへタップ・ストラップ市議会
コラム　電車の切符
この旅を終えて

　第２部　フィンランドの学童保育　　　　中山芳一・糸山智栄
はじめに
国のかたち　フィンランド
フィンランドの基礎データ
フィンランドの教育制度

Ⅰ　「プレーパーク」が体現された施設と仕組み
――フィンランドの学童保育を仕組みや施設から考える
●フィンランドの学童保育施設
●基本は登録制
●学童保育として行われる保育
●指導員の資格と身分
●フィンランドの学童保育の悩み
●学童保育の前後の時間
コラム　福祉国家フィンランドが教育を豊かに

Ⅱ　ゆとりの中で育つフィンランドの子ども
――指導員の専門性にふれながら
●教育の「機会の平等」
●ゆったりとした施設と時間の中での指導員
●指導員は大きな声で怒鳴らない
●乳幼児期の頃からの子どものそだち
●学童期の子どもたち
●子どもの自己決定を尊重する指導員
●安全を見守る指導員
●自立をうながす指導員
●やってはいけないことにストップをかける指導員
●子どもへの共感を大事にする指導員
●コミュニケーション能力が必要な指導員
●綿密な計画と臨機応変さの二本柱が必要な指導員
●チームワークを大切にする指導員
●現場の職員の裁量が重視されるフィンランド
●子どもたちの場としての学童保育所
●大切にされる子どもたち
●今の子どもたちを見て指導員が悩むこと
●日本とフィンランドの学童保育の共通点・異なる点
コラム　熱心なエコの取組み
コラム　バリアフリーは合理的に

Ⅲ　学童保育を親の視点から考える
●少人数の実施が鍵
●教室は子どもが主役
●本物を子どもに
●家庭をつくり、愛情を注ぐ練習？
●おやつは至福の時
●頼もしい指導員
●親たちの働き方
●指導員の働き方
●考える力をつける
コラム　男女共同参画の進んだフィンランド
あとがき

〈解説〉
ケアと発達援助の専門職へ
　――その旅路に寄り添って　　　　　　　　　　　　　　　　　　　庄井良信

この本のおわりに







石橋裕子（いしばし ゆうこ）
1960年生まれ。1982年福岡教育大学卒業後、小学校教諭として勤務。1999年より三養基郡中原町ひまわりクラブ指導員。NPO法人佐賀県放課後児童クラブ連絡会理事長。佐賀県学童保育支援センター統括。


糸山智栄（いとやま ちえ）
964年生まれ。株式会社えくぼ代表取締役・えくぼホームヘルパーステーション管理者、（特非）さんかくナビ事務局長、（特非）オレンジハート理事長、フードバンク岡山代表。前岡山県学童保育連絡協議会事務局長。


中山芳一（なかやま よしかず）
1976年生まれ。岡山大学キャリア開発センター在職、（特非）日本放課後児童指導員協会副理事長、岡山県学童保育連絡協議会事務局長。主な著書に『学童保育実践入門―かかわりとふり返りを深める』（かもがわ出版）などがある。

庄井良信（しょうい よしのぶ）
1960年北海道美幌町生まれ。広島大学大学院教育学研究科博士課程、広島大学教育学部助手、県立広島女子大学・生活科学部・人間福祉学科助教授、フィンランド・ヘルシンキ大学在学研究員を経て、北海道教育大学大学院（独立専攻）学校臨床心理講座・助教授。専門分野は、臨床教育学。さまざまな悩みや困難を抱えた家庭・地域・学校教育の現場と手をつなぎながら、教育相談活動に参画している。著書に『癒やしと励ましの臨床教育学』（かもがわ出版）、『揺れる子どもの心象風景』（新読書社）、『学びのファンタジア』（経水社）、『自分の弱さをいとおしむ』（高文研）などがある。