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いじめ・レイシズムを乗り越える「道徳」教育

暗闇（ダークサイド）から希望のベクトルへ

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著者	渡辺　雅之著
ジャンル	教育書 > 教育
出版年月日	2014/04/18
ISBN	9784874985410
判型・ページ数	4-6・192ページ
定価	本体1,500円＋税
在庫	在庫あり

この本の内容

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新大久保や大阪・鶴橋などで在日韓国・朝鮮人に向けてのいわゆる〝ヘイトスピーチ〟は、一昨年以来終息していない。若い世代を中心に、日中韓の間に広がる反日、嫌中・嫌韓の感情は一体どこから来ているのか。

一方、学校現場でおこる「いじめ」。双方を口実に道徳の正規授業化を目論む政府。いじめ・差別・レイシズムを乗り越えるには、いま何が必要なのか？　

中学校で長く教えていた著者が、本当の「愛国心」「道徳」とは何かを問い、生徒自らいじめ・レイシズムを乗り越える実践を提示、教育のあるべき方向性を提起する！

【編集者より】

いま、書店の棚には「嫌中」「嫌韓」などの本があふれています。
また、政治家達は差別や愛国心をあおるような発言を続けています。
そして、国連人権委員会からの「日本の子どもたちが襲われている過度のストレスは一刻も早く解消されなければならない」という勧告を無視しつつ、歪んだ「愛国心」教育を推し進めようとしています。
そのひとつの現われが「道徳」の正規科目化です。
著者は、自分の中学校と大学での授業や学生との交流の中から、本当の「愛国心」「道徳」とは何かを問い、教育のあるべき方向性を提起しています。
あるとき気がついたら物言えぬ社会になっていた、とならないために今何をしなければならないのか。
ぜひ、多くの方に一緒に考えていただきたい一冊です。

（小林彩）

プロローグ
■大阪鶴橋の女子中学生のヘイとスピーチ
■チマ・チョゴリでの差別の追体験
■新大久保のヘイトスピーチ

Ⅰ章　レイシズムと教室～憎悪（ダークサイド）の生まれるところ

■ヘイトスピーチの本質
■憎悪のピラミッド
■レイシズムとは何か
■ヘイトスピーチを産み落とす社会
■暗闇（ダークサイド）が生まれる空間
■差別の根っこ
■憎悪の発端となる「怒り」
■憎しみが生まれる「三つの仮説」
■同調現象のメカニズム
■逆立ちした自己承認欲求
■憎悪への転化～傷ついた感情
■ジェラシーの構造
■つくり出されるジェラシー
■寛容なき社会
■寛容的な社会
■憎悪（ダークサイド）～暗闇とは何か

Ⅱ章　「道徳」教育のこれまでとこれから～いじめ・レイシズムに対抗するために

■「武器」としての教育～マンデラの言葉
■教育はレイシズムのワクチン
■地球市民のための道徳教育
■推進される愛国心教育
■人材育成のための「教育」
■自己責任論の広がり
■修身という「道徳」教育
■徳目注入と特設道徳
■道徳の教科化よりも必要なこと
■おおかみが来た～もうひとつの物語その（一）
■ボクのお父さん～もうひとつの物語その（二）
■「天使の声」～もうひとつの物語その（三）
■「世界中が涙したタイの感動CM」～もうひとつの物語その（四）
■ヒドゥン（隠された）カリキュラム
■リテラシーを持つこと～レイシズムと対抗すること
■見えない世界と見せられている世界

Ⅲ章　共に生きる世界を実現するための教育実践

■思春期の葛藤の中にいる子どもたち
■もう一人の自分～万引きをした子ども
■見えていること見えていないこと～闘う相手
■苦悩は共通している
■子どもの自立と教師の姿勢
■暴力をふるう大輔
■荒れる明美
■子どもの中にいる子どもに呼びかける
■マキへのいじめ
■関係性～ペックナンバー
■共に生きる世界を

Ⅳ章　教育の希望～暗闇（ダークサイド）から希望のベクトルへ

■あすなろ学級のこと
■人は共感性を持ち生きる　
■東京大行進～キング牧師の夢
■道理と正義は消えない～若者たちの姿
■私たちの子ども
■乗り超えるために～共感的・共闘的な他者
■共感性と当時者性
■希望としての教育

エピローグ

あとがき

渡辺雅之（わたなべまさゆき）
1957年福島県生まれ。埼玉県公立中学校の社会科教師として22年間勤務。現在、立教大学兼任講師。専門は、特別活動論、生徒指導論、道徳教育論。3年B組金八先生で「いじめ問題」に取り組んだ実践が脚本化される。全国生活指導研究協議会埼玉支部常任委員。著書に『グローバル教育からの提案　生活指導・総合学習の創造』（日本評論社　2002年）『学級崩壊　克服への道筋』（フォーラムA　2001年）ともに共著。