アジア新風土記(133)ソロモン諸島の選択 - 2026.09.14
帰還兵だった父の遺したもの
戦争PTSDと家族
父は、家族ともまったく話もせず、笑わず、
一人では何ひとつできない人だった。
父が変わってしまったのは、戦地から帰還したあとでした。
「生きる屍」と化した父が抱えていた苦しみは何だったのか
見逃されてきた「戦場体験者の心の病」「帰還後のケア」――
戦争PTSDの帰還兵の子ども世代、孫世代はいまだに暴力の連鎖から逃れらず、家族の苦悩は今も進行形です。
「じつは私の父親もそうでした」「たぶんうちの父親も」――
父親の激しい暴力、暴言、恫喝、アルコール依存症、自死などで壊されてしまった家庭は枚挙にいとまがありません。
日中戦争・アジア太平洋戦争の戦場体験によって発症した、戦争PTSDを抱えて生きることが、本人や家族の人生にどんな影響を及ぼすのか、暴力の連鎖は断ち切られるのか、当事者が語る家族の物語。
第Ⅰ部 戦場で何があったのか
1 父と戦争
ピースボートの船旅で
うちのオヤジと同じじゃないか!
日中戦争を戦った父
昇進、昇進、また昇進
「でくのぼう」と呼ばれて
2 満州(中国東北地方)で何があったのか
「匪賊討伐」という任務
刺突訓練
価値観の変容
アジアの被害
3 「PTSDの復員日本兵と暮らした家族が語り合う会」の誕生
試行錯誤の船出
交流館を作る
父親を語り始めた子どもたち
戦争PTSDは「現在進行形」
本当の父親の姿を知りたい
4 隠された事実
中村江里さんとの出会い
個人の問題から社会の問題へ
当事者と支援者がともに取り組む
講演を聞いた人びとの声
5 歴史に向き合う
日中の草の根交流はじまる
父の配属地、公主嶺へ
6 戦争PTSDの実態調査を求めて
国会で取り上げられる
しょうけい館での展示が実現
第Ⅱ部 家族ってなんだろう
7 二つの家族
学生運動まっただなかの青春
生協で人生を一から学ぶ
ロードマップが必要だった
最初の家族
新しい家族との出会い
たかが家族、されど家族
8 家族を壊す戦争はいらない
過去の失敗への反省
加害と被害の歴史
非暴力のつくり方
次世代の子どもたちに平和を
おわりに
聞き書きにあたって 室田元美
【解説】戦場体験者とその家族
遠藤美幸
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