新刊

「戦場体験」を受け継ぐということ

ビルマルートの拉孟全滅戦の生存者を尋ね歩いて

著者 遠藤 美幸
ジャンル 人文・歴史書 > 歴史
出版年月日 2014/10/24
ISBN 9784874985496
判型・ページ数 4-6・240ページ
定価 本体2,200円+税
在庫 在庫あり

「ビルマルート」を遮断するため、1942年5月、日本軍は中国雲南省西部の軍事拠点・拉孟(らもう)に陣地を築き、1300人の守備隊を配備した。しかし100日にわたる死闘の末、拉孟守備隊は全滅した。その拉孟全滅戦の実相が、奇跡的に生き残った将兵の証言により明らかにされる。

 

 

1941年12月8日のハワイ真珠湾とマレー半島への奇襲攻撃から半年たらずで、日本軍はマレー半島を席巻してシンガポールを、次いでスマトラ、ジャワ島、あわせてフィリピンを占領、翌42年5月にはビルマ(現ミャンマー)全土を制覇した。

 一方で、蒋介石の率いる中国国民政府は、日本軍により首都・南京を追われ、奥地の重慶に本拠を移した。その国民政府を支援するため、米英両国は「援蒋(えんしょう)ルート」を通じて軍需物資を送った。その最大のルートが、ビルマのラングーン(現ヤンゴン)から北上して中部マンダレー、ラシオを通り、中国国境を越えて雲南省に入り、昆こんめい明に至る「ビルマルート」であった。

 その「ビルマルート」を遮断するため、四二年5月、日本軍は中国雲南省西部の軍事拠点・拉孟(らもう)に陣地を築き、1300人の守備隊を配備した。しかしほどなく太平洋戦線での米軍の反攻が開始され、日本軍は後退を余儀なくされる。
 そうしたなか、44年6月、米中連合軍は新たな「ビルマルート」の奪回作戦を開始、中国軍4万人が拉孟陣地を包囲する。100日にわたる死闘の末、9月7日、拉孟守備隊は全滅した。その拉孟全滅戦の実相が、奇跡的に生き残った将兵の証言により、ここに初めて明らかにされる。

 本書は、その将兵と“奇縁”によって結ばれた戦後世代の女性研究者による記録である。

 

 

 

【編集者より】

この本の特徴は大きく分けて2つあります。
一つ目は、戦記であり、アジア太平洋戦争におけるビルマ・雲南戦線について、生存者の聞き取り、連合軍側の資料を探索してつき合わせた研究書です。
二つ目は、著者のユニークな経歴です。著者は日本女子大学在学中に日本航空の客室乗務員の入社試験(倍率は60倍!)を受けて合格、1982~88年、国内外の空を飛び回りました。

著者が在籍した当時の日航は、日本政府が大株主の半官半民の航空会社であり、職場環境や人間関係を悪化させる「暗黒の労務政策」が吹き荒れていましたた。著者は、入社2年目で労使協調路線の全労組合(第二組合)を脱退して客乗組合(第一組合)に移ったことで、経営側の逆鱗に触れ、徹底的な差別・虐めを受けました。そして、85年、日本航空は航空史上最悪の御巣鷹山ジャンボ機墜落事故を引き起こします。著者は御用組合優遇の労務政策をとり続ける日航に見切りをつけ、資本主義の本家本元のイギリスの、19世紀における労働運動史を研究すべく、日本女子大学に戻りました。
この経験が、その後の「拉孟全滅戦」の研究の支えとなりました。

本書は、さまざまな人との出会いに支えられながら、粘り強く、研究の道のりを歩き続けてきた女性研究者の執念の記録として、多くの読者に読んでいただきたいと思っています。

(真鍋)
 
 
2015年8月23日 神奈川新聞書評欄
 
 
 
 

 2015年8月15日 産経新聞

序章 「拉孟」研究と出会うまで

Ⅰ 拉孟戦の聞き取りと人脈図

Ⅱ ビルマルートと拉孟

Ⅲ 拉孟全滅戦とは何だったのか

Ⅳ 拉孟全滅戦を生き延びた人たち

終章 終わらない戦争




遠藤美幸(えんどうみゆき)
1963年秋田県生まれ。慶應義塾大学経済学研究科博士課程修了。1982年から88年まで日本航空(株)国際線客室乗務員として勤務。現在、神田外語大学非常勤講師(歴史学)。
【主な論文】
「戦場の社会史―ビルマ戦線と拉孟守備隊1944年6月-9月(前後編)」『三田学会雑誌』102巻3号(2009年10月)及び4号(2010年1月)
「ビルマ戦線と憲兵の諜報活動(1945年7月)」『三田学会雑誌』104巻2号(2011年7月)
「ビルマ戦線と龍陵の戦場」『季刊戦争責任研究』第81号(2013年冬季号)

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