【増刷】「いろんな人がいる」が当たり前の教室に 3刷! - 2024.04.16
「西郷隆盛」を子どもにどう教えるか
2018年の大河ドラマ『西郷どん』では維新の立役者、愛溢れる指導者として描かれました。
のちに維新政府に反乱軍を率いたとして国賊となりますが、大日本国憲法発布の際、恩赦となります。
その西郷がいまや小学校の道徳教科書に「偉人」と紹介され子どもたちの「お手本」となっています。
一方で、西郷を「偉人」ととらえない人もいます。西郷が行った奄美の人々に対する過酷な収奪や征韓論をめぐって、評価が分かれています。
評価が難しい西郷隆盛を授業でどう扱うか? 神格化が浸透している地元鹿児島の社会科教師がさまざまな角度から西郷像を検討します。
南洲墓地
西郷軍に参加しなかった人々
南洲神社
西郷南洲顕彰館
Ⅱ 奄美と西郷
奄美の歴史
奄美群島に二度流された西郷
島 妻
沖永良部島への「流刑」
薩英戦争と西郷の赦免
奄美の人々の窮状を訴えた上申書
重野安繹との出会い
奄美で起きた一揆
奄美と明治維新
変わらなかった黒糖収奪と丸田南里の登場
暴力と裏切り
投獄、従軍、遭難
Ⅲ 征韓論と遣韓論の間で揺れる西郷像
西郷は「遣韓論者」か?
征韓論とは何か
毛利敏彦の「遣韓論」
実在した征韓計画
狙いは満州?
変わらぬ「遣韓論」
Ⅳ 西南戦争の大義名分は「西郷暗殺計画」だった
鹿児島に帰る
のどかな日々
私学校設立
西郷王国
士族の反乱と政府の「鹿児島士族」懐柔策
武器・弾薬庫の襲撃
密偵と「西郷暗殺計画」
大警視川路利良
弾 圧
「私怨」による戦争
戦略なき戦い
Ⅴ 民衆の側からみた西南戦争
射界清掃
焼き払い
住民殺害と捕虜殺害
略奪と「西郷札」
募兵の悲劇
戦後の鹿児島の荒廃
戦後も変わらなかった西郷の人気
Ⅵ 「西郷隆盛」を子どもにどう教えるか
「修身」から「道徳」へ
戦前の歴史教科書における西郷
鹿児島の教育における西郷
「神格化」の時期
上野の銅像が果たした役割
対外戦争に際して拍車がかかった西郷の「神格化」
西郷を道徳の教科書に
九州各県の「西南戦争の授業」から
鹿児島県育英財団の副読本から
郷中教育の再評価!?
いつまで続く「武の国薩摩」
庶民の教育は不要?
今も続く伝統行事
薩摩武士の意識が県民の意識へ
「歴史上の人物」を評価するということ