新刊

日本ナショナリズムの歴史 Ⅰ

「神国思想」の展開と明治維新

日本ナショナリズムの源流から、その形成、確立、崩壊、そして復活までを通して叙述した著作全4巻!

著者 梅田 正己
ジャンル 人文・歴史書
シリーズ 日本ナショナリズムの歴史
出版年月日 2017/09/07
ISBN 9784874986219
判型・ページ数 4-6・360ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり

「神話史観」にもとづく日本「神国」ナショナリズムは、アジア太平洋戦争での敗戦とともに消滅したはずだった。

だが戦後72年をかけ、日本ナショナリズムはよみがえり、今や政界の主流を占め、「憲法改正」までが日程に上る。

なんで、こうなってしまったのか――?!

日本ナショナリズムの源流から、その形成、確立、崩壊そして復活まで――を通して叙述した初めてのシリーズ全4巻!



9月初旬発行はⅠ、Ⅱ巻、次の10月刊が、Ⅲ、Ⅳ巻です


◎本書は例えばこんな「問いかけ」に応える形で叙述されています

◆日本ナショナリズムの源流は、どこに求められるか?
◆天皇制は、日本ナショナリズムと、どんな関わりがあるのか?
◆その天皇制は「武家の時代」7百年をどう生きぬいてきたのか?
◆幕末、政治的に無力だった天皇制が、どんなプロセスをへて復権できたのか?
◆大久保利通や木戸孝允ら維新の主役たちはなぜ「神権天皇制」を欲したのか?
◆自由民権運動は、ナショナリズムをどうとらえていたか?
◆日本「軍国主義」はいつ、どのようにして生まれ、妖怪化していったのか?
◆「超国家主義」の教育は、どんな人間像をつくり出していったか?
◆敗戦により「神格」を否定し「人間」となった天皇を、民衆はどう迎えたか?
◆現在に至る「日の丸」「君が代」問題は、いつ、どのように始まったのか?



推薦いただきました!

中塚 明氏(奈良女子大学名誉教授 日本近代史)

「たいへん面白い」問題提起の書」

小さな島国、日本は、明治維新からわずか3~40年で世界の列強の一つになりました。そのとき日本人の心に注ぎ込まれたのが「神権天皇制」でした。
わかりやすくいえば、世界を相手に戦争するまでになった、あの太平洋戦争の時期に、「日本ヨイ国、キヨイ国、世界ニ一ツノ神ノ国」とさかんに言い
ふらされた、その思想です。

 第二次世界大戦の敗北で「日本帝国」が崩壊し、この思想も総崩れになったかというと、そうではありません。敗戦から70年余、「明治百五十年」の
かけ声と共に、大手をふっていま復活しようとしています。

 この「神権天皇制」を軸とした「日本のナショナリズム」の成り立ち、発展、変ぼう、そして今日にいたる、その歴史を、日本ではじめて系統的に明ら
かにしたのがこの本です。

原稿の一部を読ませてもらいましたが、「たいへん面白い」というのが第一印象です。
「面白いという意味」は、しっかり学界の研究状況を伝えると共に、編集者であるとともにジャーナリストとして活躍して来られたその視点で、するどく
問題を提起し、論点を明らかにし、なにが問題か、それが的確にわかる叙述になっている、だから面白いのだと思います。

著者は、この本の結びとして、今日の日本の民主主義の危機的な状況をただすために、「日本近現代史の〝総学習運動〟を提案」されています。大賛成です。
この本がひろく読まれることを心から願っています。





大日方 純夫氏(早稲田大学教授 日本近代史)

「歴史認識力を鍛えてくれる本」

「自国中心」が世界的に台頭し、日本でも「日本」を鼓吹する流れがあらわになっています。一体、ナショナリズムとは何なのか。日本ではどのような
現れ方をしてきたのか。それは天皇・天皇制とどうかかわるのか。多くの人びとが強い関心をもち、疑問を抱いてきたテーマです。

研究レベルでも解明の必要性・切実性は強く意識されてきましたが、問題の大きさから手控えたり、個別的だったりして、体系的・系統的な追究がされ
てきませんでした。

そこで、長年、編集者として、出版人として、本を世に出すと同時に、ご自身も本を書いて社会に対して発信・発言してきた梅田正己さんが、ずっと胸に
つかえていたこのテーマと格闘し、精魂込めて書き上げたのが本書です。

この本の魅力は、わかりやすい言葉で語りかけ、問いかけながら、それに対する著者の解釈や解答が鮮やかに提示されている点にあります。
しかも、思いつきや独断ではなく、史料・文献や研究を踏まえて論じられています。

読者は、本書を通じて「日本ナショナリズム」の“成り立ち”と“生態”を探ると同時に、精彩に富んだ闊達な筆の運びに誘われて、自らの着想力や
問題発見力を豊かにし、著者の解釈・見解と向き合うことによって、歴史認識力を鍛えていくことができます。

近代日本のあり方を解明するために不可欠なだけでなく、戦後日本、とくに“今”を考えるための重要テーマに挑戦した壮挙として、本書を推薦します。




「推薦します」(五十音順)

新崎盛暉氏(沖縄大学名誉教授 沖縄現代史)
石山久男氏(元・歴史教育者協議会委員長)
井上勝生氏(北海道大学名誉教授 幕末・維新史)
梅林宏道氏(核・安保問題研究、ピース・デポ創立者)
大城将保氏(作家、沖縄戦研究者)
笠原十九司氏(都留文科大学名誉教授 中国近代史)
桂 敬一氏(元東京大学教授 マスメディア論)
金平茂紀氏(TBS「報道特集」キャスター)
川田文子氏(ノンフィクション作家)
轡田隆史氏(元朝日新聞論説委員、エッセイスト)
古関彰一氏(獨協大学名誉教授 憲法学)
高嶋伸欣氏(琉球大学名誉教授 社会科教育)
高嶺朝一氏(ジャーナリスト 元琉球新報社社長)
俵 義文氏(子どもと教科書全国ネット21・事務局長)
長元朝浩氏(沖縄タイムス社各員論説委員)
前田哲男氏(軍事史研究、自衛隊・安保問題評論)
安川寿之氏(名古屋大学名誉教授 日本近代思想史)
山田 朗氏(明治大学教授 日本近代史)
渡辺賢二氏(元高校日本史教諭、陸軍登戸研究所を発掘・調査)



私がなぜ、「日本ナショナリズムの歴史」にとりくんだのか
                      梅田 正己

1945年の敗戦の年、私は国民学校(小学校)4年生でした。教育勅語を暗誦させられた最後の世代です。一学期、やっと暗記できたと思ったら、夏休みに8・15を迎え、以後は一度も暗誦させられずに終わりました。ナショナリズムは、したがって私には過去の遺物で終わっていました。

それが今日(こんにち)の問題として立ち現われてきたのは、私が出版社に入り、高校生対象の月刊誌の編集を担当するようになってからです。一九六五年、文部大臣の諮問機関・中教審は高校生世代に向けて「期待される人間像」中間草案を発表しました。その中にこんな言葉があったのです。
「われわれは日本の象徴として国旗をもち、国歌を歌い、また天皇を敬愛してきた。…われわれは祖国日本を敬愛することが、天皇を敬愛することと一つであることを深く考えるべきである」
 
戦前日本の青少年にとって最高の命題は「忠君愛国」でした。表現はソフトになっていますが、指し示している方向は同じです。

 
この翌々年、「神話史観」にもとづく戦前の紀元節が「建国記念の日」として復活しました。

 
その後、月刊誌が会社の方針で廃刊とされたため、72年、仲間と共に出版社・高文研(当初の社名は高校生文化研究会)を設立、『月刊・考える高校生』(後に『月刊ジュ・パンス』と改題)を創刊しました。市販の条件はなかったため創刊時のマニフェスト「生徒と教師を主権者とする高校教育の創造をめざす」に共鳴した全国の先生たちの〝同志的〟熱意に支えられての出発でした。

月刊誌の刊行とあわせて教育書を中心に人文書の単行本の刊行も開始し、以後、低空飛行ながら出版活動を続けることができました。

文部省による国家統制の強風で教育現場が波立ってきたのは、80年代の半ばからでした。主題は日の丸・君が代の問題です。その掲揚・斉唱の完全実施に向けて、文部省は徐々に圧力を強め、99年2月には広島県立高校長の自殺という痛ましい事件を生みます。そして、あろうことか、政府はこの事件を〝奇貨〟として同年8月、「国旗・国歌法」を成立させたのでした。
 
こうした中、教育現場からは次第に自由な空気が失われ、息苦しくなってきます。それと共に、先生たちの〝自主性のみ〟に依拠していた私たちの月刊誌もその基盤を突き崩されてゆき、2006年、ついに34年の経歴を閉じたのでした。あわせて同年、戦後文部行政の〝総仕上げ〟として、教育基本法の「改正」が強行されたのです。


「教育勅語」に象徴されるように、戦前日本において国家(ナショナ)主義(リズム)の形成・確立の主舞台とされたのは学校教育でした。戦後日本においてもその復活の主戦場となったのはやはり学校教育の現場でした。その現場をずっと見続けてきた書籍(ジャー)編集者(ナリスト)として、私が国家(ナショナ)主義(リズム)の問題を引きずってきたのは考えてみれば当然かも知れません。

 
大日本帝国の崩壊とともに滅び去ったはずの日本ナショナリズムが、戦後70年をかけてよみがえってきた、このしたたかな生命力の源泉はどこにあるのか、それを解明するにはその発生の地点からたどってみる必要がありはしないか――。

 
そう考えて、現役引退後、私はそれにとりくんだのでした。日本ナショナリズムの解明は、同時にこの国の政治のあり方を根底から再検討する手がかりを、きっと与えてくれるはずです。





Ⅰ 日本ナショナリズムの源流

1 本居宣長の「異様な」中国批判
2 古事記・神代の巻を読む
3 宣長による民族的アイデンティティーの目覚め

Ⅱ 国学と水戸学にみる初期ナショナリズム

1「異国船」の来航と危機意識の深まり
2「国学」の日本像と天皇像
3「水戸学」の神国論と国防論

Ⅲ 日本史の中の天皇制
  ――天皇制はどうしてかくも長く存続できたのか
1 古代――天皇が統治者だった時代
2 摂関政治と院政時代の天皇
3 鎌倉・室町・戦国時代の武家と天皇
4 江戸時代の幕府と天皇
5 幕府が天皇家を必要とした二つの理由

Ⅳ 幕末の動乱と天皇(制)復権への道

1 光格天皇の登場と「尊王」意識の高まり
2 ペリー艦隊来航から開国まで
3 天皇復権への六つの段階(ステップ)
4 「神国ナショナリズム」の成立

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