新刊

子どもから企画・提案が生まれる学級

集団づくりの「ユニット」システム

著者 関口 武
ジャンル 教育書 > 教育
出版年月日 2015/02/28
ISBN 9784874985632
判型・ページ数 A5・144ページ
定価 本体1,600円+税
在庫 在庫あり

子どもの声をキャッチして、子どもの願い、要求を実現させていく。絵がいっぱい、提案いっぱいの学級づくり!

 

学級内クラブのルールや、班編制のやり方、学期まとめの会や、お誕生日会・・・班長会を中心とした子どもたちが、自ら企画書をつくり、教室の壁に貼りだす。
言われたことを守るクラスではなく、やりたいことを実現させたり、友だちが困っていることに気づいたりして、声を挙げられる人間関係と集団づくりを築きあげていく、ベテラン教師のとっておきメソッド。
4月のスタートから学年まとめの会まで、1年間の学級経営がゼロからわかる!

 

 

 

【編集者より】

子どもが書いた企画書が、教室の壁にずらりと貼ってあります。学級内クラブのルールや班編制のやり方、学期まとめの会やおたんじょうび会…それはクラスの歴史そのものです。

 著者の関口武先生は、埼玉県の小学校教諭として長年勤めていらっしゃいます。
 関口先生の実践の特徴は、「企画・提案」にあります。民主的な人格を育てるためには、まず学級で子どもの声(要求)を聞き出して、それを「企画・提案」として紙に書いて、クラスに問うこと(社会に出てからも会社や組織では企画書を書いて合意を得て進めていくため)――「企画・提案」→「実行」→「まとめ(振り返り)」この実践を積み重ねていきます。
 
「去年はいじめがあって嫌だった」「学校なんてつまらない」…それらの子どもから出て来た要求を実現すべく、自由席給食など小さなイベントを企画したり、班替えの方法まで、紙に書いて、「提案」していきます。

 そのために、関口先生は学級びらきで、「企画・提案」を見せて、子どもたちに「この提案でいいですか」「変えたいところがあれば変えていいよ」と伝えています。この「企画・提案」の形を1年間続けていきます。最初は、教師が班長とともに「班替え案」や「4月のおたんじょうび会」を提案しますが、すぐに子どもたちだけで企画提案できるようになります。
 子どもたちは、ゲームやお楽しみ会など、楽しいことが大好きです。楽しいことを自ら企画できることを覚えていった子どもたちは、次々に楽しいイベントを作っていきます。学校祭で企画した、ディズニーランドのアトラクションのような「ビックリツアー」は、大人気でした。

 子どもがやりたいこと(電気を付けたり消したりする行為を許したり、廊下を水びたしにしている行為を受け止めたり、暑い時期は教室で裸足で過ごしたり…といったこと)を形にしていくと、子どもは、やりたいことを実現できる喜びを知り、お互いの信頼関係を深めていきます。すると、子ども自身もクラスメイトからの要求を受け止めて、変わっていきます。

 同時に、子どもが今現在、何に困っているのか、どうしてトラブルを起こしてしまうのか、一つ一つ見極めていきます。常習遅刻の一人の子どもが、どうして遅刻してしまうのか、それをクラスメイトが問い、子どもたちが知らなかったその子の行為を知る、といった場面もあります。

 ポスターのような「提案」を、壁にぐるりと貼った教室は圧巻です。他の先生に勧めたわけではないのに、関口級を見に来て、学校中に広まったそうです。


 言われたことを静かに黙ってやるクラスではなく、やりたいことを実現させたり、困っていることに気づいたりして、声を挙げられるクラス――そんなクラスを目指すための方法やアイディアがつまった一冊です。

(小林彩)

 

はじめに

Ⅰ 集団づくりのスタート
 (1)はじめての出会い
子ども時代を子どもとして生きる
アゲハの幼虫とみかんの木と風の広場
 (2)学級開きのメッセージ
始業式前の準備
 ①学級開きのメッセージ ②班づくり ③「学級開き」の原案
始業式当日「学級開き」
学級開きが学級づくりの出発点
始業式の翌日――企画提案の後はまとめをする
 (3)要求アンケート「先生にお願い」
先生にお願い――要求アンケート
会話やトラブルから隠れた要求を見つける
 (4)班をつくる――班長の選出、班長会の持ち方
席替えは班づくりから考える
好きな者同士で班をつくる
 ①人数を決めて好きな者同士 ②男女別お見合い方式 ③班長の選出
班替え時の班のまとめ
 (5)班のマスコットとシールとワッペン――班競争
班活動のスタート――班のマスコットをつくろう
班のキャラがなかなか決まらない
シールとワッペンと班活動
MVPの班を決めよう――管理と指導
 (6)4月の「おたん生日会」――班長会の指導
班長会提案を指導
実行した後は総括――まとめをして次の活動につなげよう
 (7)学級内クラブ――活動をつくる
トラブル発生――指導のチャンス
ドッジボールクラブ
仲良しチームの誕生――ルール変更を教える
 (8)学級の課題と進歩の確認
4月のまとめアンケート
 (9)5月の「おたん生日会」
5月は班長会に任せて
「S字ジャンケン」に変更――教師が教えるより子どもたちに気づかせよう
 (10)班長立候補の班づくりへ
班長立候補の班へ
 (11)好きな者同士の「自由席給食」
自由席給食
この次食べようね――考えを出し合い、修正しながらみんなで決める
「入れて」と言われたら断らない――何度でも決め直せることを教えよう
 (12)原案指導「1学期まとめの会」
劇のテーマ――教師が視点を変えて反論を教える
水風船わり――意見が分かれる時には学級会で決める
学級会で原案について討議

Ⅱ 集団づくりの発展
 (1)ユニット給食
ユニット班――生活班と別の好きな者同士グループで仲間づくりをしよう
公と私が混じり合う場所――生活班とユニット班
 (2)シールとワッペンの代わり――評価をものから言葉に変える
シールやワッペンの取り組みからの変化
批判しあえるちから
 (3)班長会VS教師「2学期まとめの会」
提案で対立
班長会確立への一歩
 (4)新班長会の「3組とさよなら会」
 (5)高学年の集団発展 学習発表会へ
りんごの木と1学期まとめの会
教師の楽しい構想を持って
思い出はドラマ化して――2学期まとめの会
学年末の学習発表会

Ⅲ 集団づくりの構想
 (1)集団づくりの構想図
なぜ集団づくりなのか
子どもたちの自治の世界
集団づくりの構想
 (2)自主管理――チャイム席、おしゃべり、整列
遊びたい、おしゃべりしたいが子どもの要求
指導とは、子ども自身が納得して行動するようにさせること
「チャイム席」「おしゃべりしない」の指導と管理
「みんなで決めて、必ず守る」というキャッチフレーズ
管理権を子どもに――朝運動で整列するには
子どもたちが子どもたちに働きかける
 (3)班づくり――ユニット班と生活班と学習班の多層構造
班づくりの意味
リーダーとは
リーダーの層を厚くすること
ユニット班を活用する――「仲間とは何か」を問うための仲良し集団
3~5名の学習班をつくる
活動の経過に重点を置く――ユニット班でのダンス
生活班やユニット班のドタバタ創作劇
劇はもめごとの宝庫――トラブルの中で価値観を変えよう
学習係が授業のスタートをリードする
やりたい人がやりたい活動をやる"係活動"
やりたい係
 (4)高学年リーダーの指導――ユニットというダブルの班構想
ゆれる好きな者同士
班はチームのように――班とユニットの両輪で私的・公的のグループを保障
ユニットをつくろう
スポーツ大会は力の差のないチーム制――場面に応じたグループづくり
ビックリツアーのプロジェクトX――楽しい活動をユニットで企画・実行
 (5)リーダー指導――チームリーダーから班長立候補へ
「メンバー取り」の民主性、合理性、差別性
チームづくりの民主化
 (6)朝の会や帰りの会を学級全体の討論・討議の場へ
子どもたちの「困ったこと」を討議の場に
毎時間、学習班の討論の場面
授業の中で討論する
 (7)討議づくり
和解できない対立と決定

Ⅳ 集団づくりがめざす自治の世界〈実践編〉
 実践1  「暴力教室」(5年)
 わかっていても手が出てしまう
 「平和ルール」に参加するという宣言
 実践2  「裸足で過ごす」案(6年)
 男の世界になりたい――決まりを変える提案は日常から
 ナッシーあんなんでいいの
 有志で提案つくろう
 仲間と見る子どもたちの見方
 裸足の夏はとても快適
 実践3 子どもの現実に付き合う(6年)
 なんか投げていい?
 水曜日放課後バリバリ

Ⅴ 集団づくりで子どもたちが変わる〈実践編〉
 実践4 仲間と共につくりあげる価値相互承認の世界(6年)
 現状を知り子どもたちと向き合う
 基本的な信頼関係の構築
 仲間と共につくりあげる価値相互承認の世界
 集団に働きかけるための活動をつくる
 子どもの変化を通して保護者とつながる
 保護者の変化が見えてくる
 ぶつかりあう価値観から新しい価値世界を構想する
 信頼できる仲間からの要求
 行動の裏側に潜むものと集団のルール
 実践5 ぼくひとりぼっち(4年)――特性を持った子のいる学級
 落ちついた「いい子」たち
 せんせー、あそぼ――つながりを求めて
 教室の蛍光灯がチカチカ――特性を持った子の要求に応える①
 蛇口の水で廊下が水びたし――特性を持った子の要求に応える②
 パーティーの悲しいくすぐり――特性を持った子の要求を読み取る
 くーちゃんチーム誕生――特性を持った子とともに生きる学級
 くーちゃんチームって何?
 アイーン列車
おわりに




関口 武(セキグチタケシ)
1957年、群馬県に生まれる。法政大学法学部卒業。埼玉県立kと院養成所卒業後、埼玉県の公立小学校に勤務。全国生活指導研究協議会常任委員。共著に『教室の扉を開く』(埼玉全生研常任委員編)、雑誌「生活指導」(高文研)に多くの実践を発表。大学の総合講座や学童保育指導員講座、教員向け講座など全国で講演をする。

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