いま、おかしなことが起こっています。普天間基地問題です。
今朝の12日の朝刊に、いっせいに「グアムへの移設反対、地元知事」の記事が出ました。前日の11日、与党・沖縄基地問題検討委員会の議員たちと会談したカマチョ知事がそう言ったというのです。
共同配信の記事によれば、具体的にはこういうことです。
「日米合意に基づく在沖海兵隊約8千人の移転に関連し、知事は『現行計画を超える兵力の移転は受け入れがたい』と述べ、グアム移設は困難と表明した」
知事の言うとおり、日米合意では沖縄から米海兵隊8千人がグアムへ移転することになっています。では、その8千人の中に、普天間の航空隊は含まれていないのでしょうか。
現在、沖縄に駐留する海兵隊は1万2千人です(沖縄県基地対策課)。その三分の二、いわば本隊の8千人がグアムへ移るのです。普天間の航空隊だけが沖縄に残るのでしょうか?
実は、沖縄の海兵隊をグアムへ移す計画は、米軍がそのアジア太平洋戦略のもと決定した再編計画によるものです。グアムにある既存の基地の整備と新たな基地建設のためのマスタープランの案もとっくに出来上がり、その環境アセスメント案も出来て、現在、グアム住民の意見を集約中です(2月17日締切)。
インターネットでも公表されている、その環境アセス案を見ると、沖縄から移転する海兵隊の部隊と人員数は次の通りです。
◎前方展開海兵陸空任務隊の司令部 ――3046人
◎第3海兵師団の陸上戦闘部隊(指揮部隊を含む) ――1100人
◎第1航空団航空戦闘部隊(指揮部隊を含む) ――1856人
◎第3海兵兵站グループ兵站戦闘部隊(指揮部隊を含む)――2550人
合計8552人、ご覧のように航空部隊もちゃんと含まれています。
それなのに、普天間の航空隊はこの人数のほかに別個に存在するような話になっています。どうしてこんなおかしなことになったのか。
海兵隊グアム移転の計画を具体的に示した、この環境アセス案が知られていないからです。
環境アセス案に示された普天間の海兵航空隊の移設予定先はアンダーセン空軍基地です。グアム島(沖縄本島の約半分の面積)北端のアンダーセン空軍基地は、普天間基地の13倍、嘉手納基地の4倍の広さだすが、現在はほとんど使われていないとのことです。「評価案」には、沖縄から移転する海兵隊の飛行場機能と飛行訓練は、この空軍基地で対応する、と明記されています。日米両政府はそのための基盤整備にもとりかかっています。
ここにお送りする新刊は、この環境アセス案(全10巻)を通読し、その海兵隊移転に関する部分を解説したものです。米国ミズーリ大の大学院を出てAPやニューズウィークで働いた英語力に加え、インターネットの達人である吉田健正氏が、この大部な「評価案」をネットで読み解き、日本の読者に理解しやすいようにアレンジし、さらにグアムの歴史やグアム住民の声も加えて緊急出版しました。