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『沖縄の海兵隊はグアムへ行く』
沖縄の海兵隊はグアムへ行く
米軍のグアム統合計画
吉田 健正=著(軍事ジャーナリスト)
●46判 160頁
●2010年2月10日発行
●本体価格1200円
●ISBN 978-4-87498-436-9

米軍の「グアム統合計画」とは何か?
普天間基地移設問題で結論を先送りばかりしている日本政府。
しかし、米軍は自国領グアムに沖縄の海兵隊を受け入れる計画を着々と進めている!日本の資金を使って…。

アメリカは、沖縄・普天間航空基地の移設をはじめ在日米軍再編合意の実行を求めてきた。
だがその一方で、米軍は2006年以降、自国領グアムを、海兵隊を含む太平洋軍の一大軍事拠点とする計画を進めている。
すでにそのための環境アセスメント案を現地で公表している。
グアムには現在、普天間基地の13倍、嘉手納基地の4倍もあるアンダーセン空軍基地がある。そこは「沖縄海兵航空隊を受け入れて余りある」とアセスは「評価」している。
だが奇妙なことに、マスコミはこの重大な事実を報道してこなかった。
ここにその情報の空白を埋めるため、「米軍グアム統合計画」の日本国民必見の重要ポイントを伝える!
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●もくじ

序章 米軍再編とグアム
  • 観光の島から再び軍事拠点へ
  • 米軍計画に明示された普天間航空隊基地のグアム移転
  • 「環境影響評価案」が伝えるグアム軍事拠点化の全容
T 米国の軍事拠点・グアム
  • 日本軍「玉砕の島」
  • アンダーセン空軍基地から日本へ出撃
  • 米国の「未編入領土」となる
  • グアムが体験した朝鮮戦争と原水爆実験
  • 増減する人口の中の先住民・チャモロ人
  • ベトナム戦争でも再び出撃基地に
  • 地球の半分を受け持つ米太平洋軍
  • 冷戦終結でグアム基地は縮小
  • 原爆機が飛び立った島テニアン
  • グアムの経済――観光と基地
メモ:射爆撃演習場ファラリョン・デ・メディニラ島
メモ:グアムの政治的地位
メモ:自治領北マリアナ諸島
U 「SACO」合意から「米軍再編ロードマップ」へ
  • SACO(沖縄に関する特別行動委員会)合意(一九九六年)
  • 「日米同盟」強化に向かった「未来のための再編と変革」(二〇〇五年)
  • 「ロードマップ」(二〇〇六年)に基づく海兵隊グアム移転
  • 普天間航空基地移設に「総論賛成、各論反対」
  • 沖縄に集中する在日米軍基地
  • グアムの戦略的位置と「適性」
  • 着々と進むグアム基地建設計画
メモ:海兵隊が沖縄から撤退しても抑止力は失われない
メモ:進行する米軍の基地統合・閉鎖
メモ:9・11が促進したトランスフォメーション(変革)
V 在沖海兵隊グアム移転への経過
  • 統合グアム計画室が作成した「環境影響評価案」
  • 日本以外の東アジア同盟国は新基地受け入れに難色
  • 最善の選択≠ヘグアムだった
  • 「グアム統合軍事開発計画」(二〇〇六)に示された再編構想
  • 普天間の航空戦闘部隊はアンダーセン空軍基地へ!
  • カデナの四倍、二つの飛行場、四本の滑走路をもつアンダーセン航空基地
メモ:なぜグアムか?――海軍統合計画室のQ&A
メモ:環境影響評価と基地建設
メモ:上空から見たアンダーセン基地と周辺
W 海兵隊移転を含んだグアム軍事拠点構想
  • 「環境影響評価案」の方法と輪郭
  • グアムに移駐する海兵隊の構成
  • 司令部、居住、訓練用に指定された地区
  • 海兵隊の飛行訓練はアンダーセン空軍基地で可能
  • 実弾射撃訓練はテニアンで
  • 原子力空母埠頭の新設と陸軍ミサイル防衛任務隊の配備
  • 大きく変わる人口構成、米軍人口は三千人から一万二千人に増加
  • 日本が資金の六割を負担してインフラを整備
  • 基地公害はないのか
メモ:「環境影響評価案」の構成
メモ:環境への影響
X グアム住民はどう見ているか
  • 島を離れるチャモロの老人たち
  • 交錯する期待と不安
  • ブログに見る疑問と不安
  • 「植民地」グアムの訴え
  • 米軍による事件・事故への心配
主な参考資料
あとがき



 
●担当編集者より

 いま、おかしなことが起こっています。普天間基地問題です。
 今朝の12日の朝刊に、いっせいに「グアムへの移設反対、地元知事」の記事が出ました。前日の11日、与党・沖縄基地問題検討委員会の議員たちと会談したカマチョ知事がそう言ったというのです。
 共同配信の記事によれば、具体的にはこういうことです。
「日米合意に基づく在沖海兵隊約8千人の移転に関連し、知事は『現行計画を超える兵力の移転は受け入れがたい』と述べ、グアム移設は困難と表明した」

 知事の言うとおり、日米合意では沖縄から米海兵隊8千人がグアムへ移転することになっています。では、その8千人の中に、普天間の航空隊は含まれていないのでしょうか。
 現在、沖縄に駐留する海兵隊は1万2千人です(沖縄県基地対策課)。その三分の二、いわば本隊の8千人がグアムへ移るのです。普天間の航空隊だけが沖縄に残るのでしょうか?

 実は、沖縄の海兵隊をグアムへ移す計画は、米軍がそのアジア太平洋戦略のもと決定した再編計画によるものです。グアムにある既存の基地の整備と新たな基地建設のためのマスタープランの案もとっくに出来上がり、その環境アセスメント案も出来て、現在、グアム住民の意見を集約中です(2月17日締切)。
 インターネットでも公表されている、その環境アセス案を見ると、沖縄から移転する海兵隊の部隊と人員数は次の通りです。
  ◎前方展開海兵陸空任務隊の司令部          ――3046人
  ◎第3海兵師団の陸上戦闘部隊(指揮部隊を含む)   ――1100人
  ◎第1航空団航空戦闘部隊(指揮部隊を含む)     ――1856人
  ◎第3海兵兵站グループ兵站戦闘部隊(指揮部隊を含む)――2550人
 合計8552人、ご覧のように航空部隊もちゃんと含まれています。
 それなのに、普天間の航空隊はこの人数のほかに別個に存在するような話になっています。どうしてこんなおかしなことになったのか。
 海兵隊グアム移転の計画を具体的に示した、この環境アセス案が知られていないからです。

 環境アセス案に示された普天間の海兵航空隊の移設予定先はアンダーセン空軍基地です。グアム島(沖縄本島の約半分の面積)北端のアンダーセン空軍基地は、普天間基地の13倍、嘉手納基地の4倍の広さだすが、現在はほとんど使われていないとのことです。「評価案」には、沖縄から移転する海兵隊の飛行場機能と飛行訓練は、この空軍基地で対応する、と明記されています。日米両政府はそのための基盤整備にもとりかかっています。

 ここにお送りする新刊は、この環境アセス案(全10巻)を通読し、その海兵隊移転に関する部分を解説したものです。米国ミズーリ大の大学院を出てAPやニューズウィークで働いた英語力に加え、インターネットの達人である吉田健正氏が、この大部な「評価案」をネットで読み解き、日本の読者に理解しやすいようにアレンジし、さらにグアムの歴史やグアム住民の声も加えて緊急出版しました。

(梅田正己)


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吉田 健正
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