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『自衛隊という密室』−いじめと暴力、腐敗の現場から
自衛隊という密室
いじめと暴力、腐敗の現場から
三宅勝久=著
●四六判 208頁
●2009年9月18日発行
●本体価格1600円
●ISBN 978-4-87498-428-4

3年連続自殺者100人超え、暴力事件での処分者年間80人、脱柵(脱走)・不正外出326人(07年)といった数字が並ぶ。軍事産業との癒着もひどく、汚職事件も頻発している。組織内に充満する暴力と腐敗、右傾化の進むこの国にあって、自衛隊は「大日本
帝国陸海軍」に先祖帰りをしているのではないのか――
組織防衛の厚い壁を穿つ気鋭のジャーナリストの渾身ルポ!

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●もくじ

 はじめに
第T部 暴力の闇
 1 ある特殊部隊員の死──“聖地”江田島から
  • 海上自衛隊第1術科学校
  • 1人対15人の「はなむけ」格闘“訓練”
  • 東郷元帥の「御遺髪室」
  • 搬送に2時間の謎
  • 栗栖・田母神「更迭」批判
 2 虐待される女性自衛官
  • 「飛び降りてやる」
  • ほかに仕事がない
  • 班長の殴打
  • 上司に相談すると報復
  • 「その事実については、ありません」
  • 下書きされた退職願
 3 営内班暴行事件
  • 「都合の悪いことを書く人には協力できません」
  • やる気で入った自衛隊
  • 「血いだしやがって」
  • ジュージャン
  • 告訴取り下げの圧力
  • 臭いものにフタをする組織
  • 『陸軍残虐物語』の時代
 4 空自暴行失明事件
  • 失明の事実を伏せた発表文
  • 殴打に頭突き
  • 意識朦朧でも搬送は2時間後
  • 失明
 5 空自シカト小隊
  • 「部下の隊員を虐待してはならない」
  • 「死にたいやつは死ねばいい」
  • 上司6人がかりで「あら探し」
第U部 「腐敗」と「愛国」
 1 防衛医科大汚職事件
  • 阪大ワープロ汚職
  • 逮捕された眼科部長
  • 白内障手術で網膜剥離に
  • 元防衛庁長官と総理の影
 2 野外炊具汚職事件
  • 野外炊具1号
  • 一族経営の防衛商社
  • まさか発覚するとは……
  • 守屋事件と三菱重工
 3 ヒゲの隊長と防衛省の官製選挙疑惑
  • 田母神空幕長ら高級幹部7人が政治献金
  • 服務の宣誓
  • 自衛隊施設で選挙運動?
  • 寄附用紙を部隊で回覧か
  • 「いちいち確認ができない」と大臣
 4 田母神“将軍”の燃料垂れ流し出張
  • 女性隊員はホステス代わり?
  • 消費燃料はドラム缶八〇本分?
  • 「時間的制約」「警備上の理由」というが……
  • ホテルの領収書は「捨てた」
 5 田母神空幕長のトンデモ講話事件
  • A4版12枚の「講話」記録
  • アメリカ批判
  • 南京大虐殺というのは……
  • 組織的に記録を指示した事実はない
  • 田母神氏の退職金を守った佐藤議員
 6 元日本軍兵士が語る軍隊生活と戦場体験
  • 志願兵として
  • 「精神注入棒」の毎日、自殺者も
  • 班長に寿司、オハギ
  • 靖国で会おう
  • 轟沈
  • 人は人の近くで死にたい
 あとがき




 
●担当編集者より

「平和を、仕事にする。」
 自衛官募集の宣伝ポスターに見かける言葉です。
 その理想とは裏腹に、現場では人権を無視した残酷ないじめや暴力事件が蔓延しています。著者が自衛隊の取材を始めたのは5年前、サラ金問題の取材がきっかけでした。ストレスからギャンブル、酒、女遊びにはまって多重債務に苦しむ自衛官があまりに多かったからです。
 今、自衛隊の中で何が起きているのか?
 組織防衛の厚い壁を少しずつ突き崩す、著者のねばり強い取材で見えてきたのは、「大日本帝国陸海軍」が復活したかのような自衛隊の姿でした。
 現場の営内班(旧軍でいう「内務班」)ではパワハラや暴力事件が頻発、幹部クラスは汚職に手を染め(守屋次官の事件はその氷山の一角と思われます)、そして、将官クラスには過去の侵略戦争を全否定する航空幕僚長が出現しました。
 また、巨大実力組織としては、旧陸軍の親睦団体・偕行社との結びつきを強め、自衛隊幹部の政治家転身を組織ぐるみでバックアップした動きは、昭和の「軍閥」の姿と重なる部分が見えてくるのではないでしょうか。
 ぜひ、本書を通して、マスコミが報道しない自衛隊の陰の部分を読者に知ってもらいたいと思います。


(真鍋かおる)


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三宅勝久
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