私は猫と暮らしています。それはそれで可愛いのですが、でも本当に飼いたかったのは犬です。犬と暮らしている人が羨ましい! でも毎日の散歩のことなど考えると、私には犬を飼う条件がありません。それだけに新聞などに載っている犬の話は欠かさず読む人です。今回の新刊『学校犬バディ』も新聞に紹介された立教女学院小学校の吉田先生とバディの記事に目が釘付けになったのがきっかけでした。
社内の企画会議を無事通り、執筆をお願いしてからほぼ一年、愛らしいエアデール・テリアのバディをアップにした素敵な表紙の本が出来上がりました。
学校犬バディは吉田先生といっしょに毎日学校に通い、授業に参加し、キャンプや遠足、運動会など学校行事にも参加、そのバディを学校でお世話をするのはバディウォーカーと呼ばれる六年生の有志たち。バディは今や子どもたちにとってなくてはならない存在なのですが、しかし学校に犬を介在させる過程は困難だらけでした。最大の難関は教員会議で全職員の了解をどう取り付けるか、中でも当時の校長先生は大の犬嫌い(犬が怖い)!
それらの難関を乗り越え、いざ学校にバディを学校に導入してからもハプニングは次々発生! 保護者からの匿名の投書、タヌキ騒動、脱走事件、テニスコート事件……。
そして本書の圧巻は、なんといってもバディの出産です。12時間かけて12匹の子犬を出産したバディ。その子犬たちに触れ、いのちの暖かさを実感する子どもたち……。
動物の織りなすドラマは興味が尽きません。読み始めたらきっと一気に読みたくなる本なのですが、でもこれはただの犬の話ではありません。日本ではまだ新しい試みである「動物介在教育」(Animal Assisted Education=AAE)――その端緒を切り開いたともいうべき新しい実践の誕生だと言えます。
吉田先生の教育観の中心にあるのは「学校は楽しい場所でなければならない」という信念です。成績アップと管理に追い立てられる今日の教育状況の中で、一瞬立ち止まって考えさせられる貴重な記録だと、私は思います。