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『こどもたちの仲間 学校犬バディ』−動物介在教育の試み
こどもたちの仲間 学校犬バディ
動物介在教育の試み
吉田 太郎=著
●四六判 232頁
●2009年8月23日発行
●本体価格1600円
●ISBN978-4-87498-427-7 C0037

不登校だった少女のつぶやきがヒントだった。欧米では認知されている「動物介在教育(Animal Assisted Education)」を日本でおそらく唯一導入している学校の七年の記録!犬の名はバディ。著者と毎日登下校。授業はもちろん、学校行事にも欠かさず出席。「学校犬」として子どもたちに愛される存在となっている。その犬が子どもたちに運んでくれたものとは?
とかくバーチャルな世界が一般化した昨今、子どもたちがリアルな「いのち」を目の前にし、何を感じ取り表現するのか?前例のない教育プログラムに果敢に挑んだ一教師の感動の記録!

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●もくじ

はじめに
第T章 学校に犬がいたら、たのしいだろうなぁ……
  • ある少女のつぶやき
  • 犬がいる学校って、きっと「たのしい」
  • 「リオ宣言」
  • 理想の犬とは?
  • 人間にもっとも近い犬
  • クリアすべき問題点
  • 最大の難関
  • 運命の教員会議
  • バディ(Buddy)と命名
  • 黒い悪魔の洗礼
  • 犬の「社会化」
  • 「バディ・ルーム」
  • 秘密の計画
  • お披露目
第U章 学校犬となるために
  • バディ・ウォーカーの誕生
  • 教室にワンコ
  • 獣医師による出張授業
  • バディ・ウォーカーの活動
  • タヌキ騒動
  • 軽井沢キャンプへの参加
  • 不思議な力
  • ぬくもり
  • 匿名の手紙
  • エアデール・テリアのトリミング
  • 神からの恵み「ヤーウェ・イルエ」
  • 保護者の理解と応援
第V章 ドッグトレーニング
  • バディのしつけ
  • ドッグトレーナーとの出会い
  • グループレッスン
  • 分離不安
  • 脱走事件
  • 神聖なる(?)テニスコート
  • 「動物観」の壁
第W章 バディと子どもたちとの学校生活
  • 動物アレルギー
  • バディ専用「除菌ウェットティッシュ」
  • 子どもたちの提案「ドッグマット」
  • 「教室に犬がいる」という光景
  • 学校行事への参加
  • クリスマスの「バディトナカイ」
  • 誕生日の祝福
  • 子どもたちとお年寄りの施設に訪問活動
  • 限りある「いのち」
第X章 新しい「いのち」の誕生
  • 「性」教育?「生」教育?
  • 鳩のピーちゃん
  • ブリーディングに挑戦!
  • バディのマタニティー日記
  • 出産が始まった!
  • バナナを食べながら
  • 途切れそうな小さな「いのち」
  • 悲しい別れ
  • 育児記録
第Y章 「つながり」と「絆」
  • 子犬たちとの学校生活
  • 巣立ちへの二カ月間
  • 子犬たちの旅立ち
  • 「バディと一緒に学ぶドッグトレーニング」
  • 犬に対する意識の変化
  • ハードルを乗り越える力
  • 飼育放棄されたハルとの出会い
  • 捨てられた「いのち」の再生
  • 〔卒業文集〕バディと過ごした小学校生活
  • 動物が与えてくれるもの
  • 「いのち」のバトンを
〔解説〕吉田太郎先生の挑戦 _帝京科学大学アニマルサイエンス学科(精神科医) 横山章光

あとがきに代えて──学校は「たのしい」場所でなければならない




 
●担当編集者より

 私は猫と暮らしています。それはそれで可愛いのですが、でも本当に飼いたかったのは犬です。犬と暮らしている人が羨ましい! でも毎日の散歩のことなど考えると、私には犬を飼う条件がありません。それだけに新聞などに載っている犬の話は欠かさず読む人です。今回の新刊『学校犬バディ』も新聞に紹介された立教女学院小学校の吉田先生とバディの記事に目が釘付けになったのがきっかけでした。

 社内の企画会議を無事通り、執筆をお願いしてからほぼ一年、愛らしいエアデール・テリアのバディをアップにした素敵な表紙の本が出来上がりました。

 学校犬バディは吉田先生といっしょに毎日学校に通い、授業に参加し、キャンプや遠足、運動会など学校行事にも参加、そのバディを学校でお世話をするのはバディウォーカーと呼ばれる六年生の有志たち。バディは今や子どもたちにとってなくてはならない存在なのですが、しかし学校に犬を介在させる過程は困難だらけでした。最大の難関は教員会議で全職員の了解をどう取り付けるか、中でも当時の校長先生は大の犬嫌い(犬が怖い)!

 それらの難関を乗り越え、いざ学校にバディを学校に導入してからもハプニングは次々発生! 保護者からの匿名の投書、タヌキ騒動、脱走事件、テニスコート事件……。

 そして本書の圧巻は、なんといってもバディの出産です。12時間かけて12匹の子犬を出産したバディ。その子犬たちに触れ、いのちの暖かさを実感する子どもたち……。

 動物の織りなすドラマは興味が尽きません。読み始めたらきっと一気に読みたくなる本なのですが、でもこれはただの犬の話ではありません。日本ではまだ新しい試みである「動物介在教育」(Animal Assisted Education=AAE)――その端緒を切り開いたともいうべき新しい実践の誕生だと言えます。

 吉田先生の教育観の中心にあるのは「学校は楽しい場所でなければならない」という信念です。成績アップと管理に追い立てられる今日の教育状況の中で、一瞬立ち止まって考えさせられる貴重な記録だと、私は思います。


(金子さとみ)


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