2005年6月に結成された「チェチェン連絡会議」は、チェチェン戦争の平和的解決のために活動しているNGOと個人が集まり、日本でこの問題への関心を喚起するために結成されたものです。
『チェチェン民族学序説―その論理、規範、文化、宗教=ウェズデンゲル 』の刊行を記念して、チェチェン連絡会議は2月28日に、出版記念報告会を開きました。
翻訳出版に関わった方がたや多くの支援者などが集い、出版・翻訳にまつわるエピソードや、最近のモスクワでの諸事件、チェチェンの平和や、ロシアの民主化について考える場となりました。
この場で訳者の今西さんが、著者のムサー・アフマードフさんから会に寄せられたメッセージを紹介してくださいました。
ここにも紹介したいと思います。
「あらゆる面で高い水準にある文化を持っている日本で、私の『ウェズデンゲル』が翻訳出版されたことを、たいへんにうれしく思います。日本の皆様が、チェチェンという小さな国の文化と伝統に関心を寄せてくださっていることも、喜ばしい限りです。
私たちは、これまで芥川龍之介、大江健三郎、安部公房といった作家の作品を通じて、日本の倫理感に触れていますが、地理的に大きくへだたった両国の倫理感には、思いのほか多くの共通点があることを知っております。
現在のチェチェンの社会状況は、表面的には比較的落ち着いてきているといえます。最近では、「チェチェンの心」と呼ばれるイスラム教総本山寺院が建立されました。チェチェン人の宗教活動も徐々に復活してきています。 ムサー・アフマードフ」
さてこの本は、『チェチェンで何が起こっているのか』の共著者の林克明さん、大富亮さんにご尽力いただいて刊行できたものです。
実は訳者の今西さんは、小社の著者関係者としては、このおふたり以外にもつながりがあったのです。
『小学生への読みがたり、読みきかせ 中高学年編』の編者のおひとり、石崎恵子先生のお兄さまであり、そして「この本だいすきの会」代表の小松崎進先生が、学生時代に教育実習先で教えたことがあった方だったというのです。
チェチェン問題と子どもの本と読書の研究会、普通ではあまりクロスすることはないでしょうが、人と人のつながりは見事にクロスして、本当にびっくりしました。
そして高文研としてはちょっと風変わりなタイトルの本が、ここに誕生しました。
ご一読いただけましたら、うれしく思います。