山田泉さん、山ちゃん! 私は、このすごい人物をどう形容すればいいかわからない。今回の本の第J章で、インタビュアーの菅井さんはカリスマ養護教諭≠ネどという言葉を使っているが、私は、とりあえず奇跡の人≠ニでも言わせてもらおうか。とにかく文章がうまい(おもしろい)! 話すのがうまい(講演は格別)! その上、友達をつくるのがうまい! こんなすごい能力を一人の人に与えてしまって、それはあまりにも不平等を思ったのか、神様はこの人に、乳がんという病を背負わせてしまった。
その乳がんが再発、再々発、転移……しかし、山ちゃんのすごいところは、それにもめげず(いや、それゆえにと言った方があたっているかもしれない)猛烈な勢いで、小・中・高校・大学と、出前「いのちの授業」を続けていることだ。
「山ちゃん流いのちの授業」は、子どもたちと対話しながら進めていくのが常だが、ある短大での授業光景。女子学生たちがみんな分厚いハンドタオルを握りしめ、泣きながら山ちゃん先生の話を聞き、泣きながら何か訴えているのだ(ビデオ)。
さらに、この本の第U章は、鹿児島の小学校での授業記録を収めているが、その授業を終え、車に乗って帰って行く山ちゃん先生を、雨の中、子どもたちが泣きながら追いかけ続けたという。わずか1時間で、子どもたちの心をまるごとつかんでしまう……! こんな稀有な力を持った人を、私は他に知らない。
今回の本は第J章=インタビュー、第K章=授業記録、第L章=山ちゃんの日々の記録、第M章=朝日新聞記者の上野さんとの対談と、多彩に構成しているが、きっと前回の『「いのちの授業」をもう一度』にも増して、笑って、泣いて、考えさせられて……深い感動とともに、一気に読んでいただけると思うのです。
山ちゃんはいま、抗がん剤治療中。筑紫哲也さんと同じようにかわいい帽子をかぶって生活しているのですが、その山ちゃんに、オビで推薦文を寄せてくださった上野千鶴子さんは、「おーい、そんなに先を急がないでよぉ!」と呼びかけてくれている。みんなの暖かい応援の中で、第二弾『いのちの恩返し』を無事刊行できたこと、心からうれしく思います。