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石碑と銅像で読む近代日本の戦争
石碑と銅像で読む近代日本の戦争
歴史教育者協議会=編著
●A5判・128頁
●2007年12月8日発行
●本体価格1600円
●ISBN978-4-87498-395-9

日本全国各地に点在する「石碑」や「銅像」。とりわけ近現代の戦争に関わる「碑」はその当時の背景を如実に表している。幕末からアジア太平洋戦争まで、近代日本の戦争に関連する「慰霊碑」、「記念碑」、「銅像」などから『日本人の戦争観』を読み解く!全国の日本史の教師、研究家が直接歩いて集めた『石碑ガイドブック』!
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●目次


明治維新前後
  • 珈琲豆の碑──幕末の北の守り≠ナ倒れた津軽藩兵
  • 「招魂場」の碑──戊辰戦争・明治政府軍戦没者を祀る
  • 碧血碑──戊辰戦争・幕府軍の戦死者を祀る
  • 屯田兵招魂之碑──西南戦争での屯田兵戦死者を祀る
  • 西南戦争関連の碑──日本の大陸膨張政策と軌を一にした西郷隆盛の復権
  • 竹橋事件殉難者の碑──最初で最後の兵士の反乱
日清・日露戦争
  • 第七師団営舎落成記念碑──政と財の結託を象徴
  • 昭忠碑──建国神話に由来する巨大な金の鵄
  • 八甲田雪中行軍遭難者の墓碑──軍への非難を恐れ、戦死者&タみの慰霊
  • 樋口配天の「梭の音」碑──日露戦争時、反戦歌を詠んだ詩人
  • 歌碑「戦友」碑──戦争に駆り出される兵士の悲哀
  • 「君死にたまふことなかれ」歌碑──母校の校庭に建つ与謝野晶子の反戦歌
  • 縄掛け地蔵尊と由来碑──召集令状回避の願いを込めた延命地蔵
  • 元ロシア人兵士之墓──ロシア軍捕虜三名の墓碑
  • 安藤正楽の日露戦役記念碑──「忠君愛国」を否定して全文削り取られた碑文
  • 第七師団忠魂碑──屯田兵の招魂碑を埋め立てた上に
  • 決別の碑──代々木練兵場に土地を奪われた住民が建立
  • 「一太郎やあい」像──官民挙げての軍国美談づくりの熱狂
  • 第一次世界大戦・シベリア出兵・関東大震災
  • 第六潜水艇殉難碑──漱石が「名文」と讃えた艇長の遺書
  • 徳島板東俘虜収容所「ドイツ兵の墓」──第一次世界大戦で日本軍捕虜となったドイツ軍兵士
  • 米騒動の碑──富山から全国に広がった民衆の蜂起
  • シベリア出兵・田中支隊忠魂碑──靖国神社に建つロシア革命干渉戦争の碑
  • 「尼港事件」犠牲者納骨堂と殉難碑──シベリア出兵の中で引き起こされた悲劇を伝える
  • 佐藤三千夫之碑──シベリア出兵に反対し、ロシアに渡った反戦活動家
  • 「追悼 関東大震災朝鮮人犠牲者」の碑──関東大震災で虐殺された朝鮮人六千人の慰霊碑
  • 関東大震災朝鮮人犠牲者慰霊の碑──「自警団」によって虐殺された朝鮮人の慰霊碑
  • 陸軍造兵廠東京工廠跡記念碑──大阪砲兵工廠と並ぶ兵器・弾薬の一大製造工場
十五年戦争  【教育】
  • 楠木正成銅像と刻文──天皇制軍国主義時代の「忠君愛国」の象徴
  • 教育塔──教育界の靖国神社
  • 御真影守護殉職者の碑──火災や空襲下、「御真影」を守って落命した教師たち
  • 紀元二千六百年文化柱──新聞社の社長が建てたタイムカプセル
 【戦意高揚・国威発揚】
  • 陸軍岩鼻火薬製造所「殉職者之碑」──火薬製造の事故死者も戦死者≠ニ同格の扱い
  • 肉弾三勇士のレリーフと銅像──戦争への熱狂をあおるために作られた国民的英雄
  • 傷痍軍人「再起奉公」の碑──戦争で傷病を負った兵士たちのための碑
  • 大村益次郎の銅像と碑──日本陸軍創設者の銅像と巨大な報国碑
  • 八紘一宇の碑──礎石は中国大陸の占領地、植民地などから集められた
  • 禁演落語「はなし塚」の碑──遊郭などを題材にした演目を封印した落語協会
 【反戦・抵抗】
  • 山本宣治の碑──警察に倒され、碑文を塗りつぶされた無産政党指導者の碑
  • 阪口喜一郎顕彰碑──海軍内で反戦活動、憲兵隊に虐殺された活動家の碑
  • 鶴彬川柳碑──戦争の悲惨を痛烈に詠んだ反戦反軍の川柳人
  • 竹内浩三詩碑──芸術を愛した戦没学生と遺族の思いを刻む
  • 京都解放運動戦士の碑──獄死、虐殺された戦前の社会運動家たちの追悼碑
 【出陣学徒】
  • 「出陣学徒壮行の地」の碑──一〇万の学徒が戦場へ動員された「学徒出陣」の壮行式
  • 特攻隊員・上原良司のメッセージ碑──日本の戦争の本質とその後を見とおしていた学徒兵の「遺書」
 【特攻】
  • 海上特攻隊の碑──八丈島に建つ第十六震洋特別攻撃隊の記念碑
  • 宮崎特攻基地「鎮魂」の碑──沖縄特攻作戦の出撃基地
  • 知覧・朝鮮人特攻隊慰霊碑──知覧から飛び立った一一人の朝鮮人特攻隊員
 【強制連行・従軍慰安婦】
  • 劉連仁生還記念碑──一三年間の逃亡生活を送った中国人強制連行の被害者
  • 花岡事件「共楽館址」の碑──強制連行され、奴隷労働≠強いられた中国人たちの一斉蜂起
  • 「噫 従軍慰安婦」の碑──日本人としてただ一人名乗り出た「慰安婦」の鎮魂の碑
  • 相模ダム工事犠牲者の「湖銘碑」──中国人捕虜、強制連行された朝鮮人犠牲者を悼む碑
  • 天竜川・平岡ダム 中国人殉難者の慰霊碑──約九〇〇人の中国人が一日パン三個で働かされた
  • 中国人殉難者供養観音碑──長野・木曽地方の発電所工事で犠牲となった中国人を悼む碑
  • 大江山ニッケル鉱山 日本中国悠久平和友好之碑──連合軍捕虜・中国人・朝鮮人約千人が強制労働させられた
 【建造物・記念地】
  • 風船爆弾放流地跡「わすれじ平和の碑」──アメリカ本土攻撃をめざして作られた一万発の風船爆弾
  • 「直江津捕虜収容所跡」の碑──日本・オーストラリア平和交流の地となった捕虜収容所跡
 【動物】
  • 戦没軍馬の碑──日清戦争から太平洋戦争まで日本軍の兵站を支えた軍馬
  • 満州事変軍馬戦歿之碑──仙台第二師団に従軍≠オた軍馬・軍用動物の慰霊碑
  • 陸軍登戸研究所・動物慰霊碑──生物化学兵器の研究所に建てられた謎の「動物慰霊碑」
  • 名古屋・東山動物園の象列車記念碑──「処分」されなかった象が「象列車」になった
 【空襲】
  • 東京初空襲関係の墓碑──日米開戦から五カ月、真珠湾奇襲への米軍の報復爆撃
  • 学徒勤労動員「散華乙女の記念樹」の碑──戦争末期、学生・生徒も軍需工場に根こそぎ動員された
  • 慰霊碑 哀しみの東京大空襲──一夜で一〇万人の死者を出した東京大空襲
  • 横浜大空襲「平和祈念碑」──横浜を焼き払い、死者一万人を出した二五七〇トンの焼夷弾爆撃
  • 台湾少年工の碑──神奈川・高座海軍工廠で働いた台湾の少年工
  • 半田・平和祈念碑──空襲のほか、朝鮮人も含むすべての戦災犠牲者の追悼碑
  • 「堺市戦災殉難之地」の碑──九万八千発の焼夷弾が落とされた堺大空襲
  • 豊川海軍工廠戦没者供養塔──八月七日の大空襲、死者二五〇〇人以上
  • 京橋駅爆撃慰霊碑──「終戦の日」前日の大空襲
  • 大阪「砲兵工廠跡」の碑──第八次大阪大空襲で建物の八〇%が焼失
 【沖縄戦】
  • 平和の礎/魂魄之塔
  • ひめゆりの塔/沖縄師範健児之塔
  • 京都の塔/韓国人慰霊塔
  • 渡嘉敷島・「集団自決跡地」の碑/忘勿石の碑
  • 小桜の塔/芳魂之塔
  • 戦没新聞人の碑
 【原爆】
  • 「模擬原子爆弾投下跡地」の碑──原爆投下の予行演習で被災者一六四五人
  • 原爆の子の像/原爆犠牲ヒロシマの碑
  • 世界の子どもの平和像
  • 峠三吉詩碑/韓国人原爆犠牲者慰霊碑
  • 「原子爆弾落下中心地」の碑
  • 松尾あつゆき句碑
  • 「長崎原爆朝鮮人犠牲者追悼」の碑
  • 乙女の像と長崎刑務所浦上刑務支所跡
  • 移動劇団・さくら隊原爆殉難碑──慰問先の広島で被爆した演劇人たち
 【鎮魂・慰霊】
  • 千鳥ヶ淵戦没者墓苑──約三五万の無名$没者を悼む
  • 満蒙開拓団殉難者の碑──国策で満州に渡り、軍にも国にも見捨てられた開拓団の悲劇
  • 青函連絡船海難者慰霊碑──青函航路に就航していた一二隻が全滅
  • 戦没プロ野球選手の「鎮魂の碑」──東京ドームに建つ六七人の野球選手の慰霊碑
  • 硫黄島旧島民戦没者の碑──軍命で島に残留、守備隊と共に戦没した旧島民
  • 戦没船員の慰霊碑──軍人の死亡率をはるかに上回った船員六万余人の戦没者
  • 大久野島毒ガス障害死没者慰霊碑──犠牲者の追悼と毒ガス兵器廃絶を誓う碑
戦後──引揚・復員・戦犯・戦後教育・旧植民地
  • 平和の群像・浮島丸「殉難の碑」──引揚・復員の玄関口・舞鶴に建つ二つの祈念像
  • 樺太引揚三船殉難「平和の碑」──終戦直後、ソ連潜水艦に沈められた樺太(サハリン)からの引揚船
  • 童謡「里の秋」の碑──帰還兵・留守家族の心を揺さぶった童謡
  • シンガポールチャンギー殉難者慰霊碑──朝鮮人・台湾人を含むBC級戦犯の慰霊碑
  • 撫順戦犯日本兵の碑──戦犯管理所跡に建てられた「向抗日殉難烈士謝罪碑」
  • スガモ・プリズン跡「永久平和を願って」の碑──「A級戦犯の慰霊、顕彰」と建設反対運動も起こった碑
  • お婆さんたちが建てた「平和紀念碑」──敗戦の翌年、四人の「老婆」が立てた平和への誓い
  • 混血児の母・沢田美喜の碑──サンダースホームで命を救われた子ども一一〇二名
  • 機雷爆発六三名爆死「平和をまもる」の碑──機雷処理の巡査、見物の子どもたちが犠牲に
  • 「戦死せる教え児よ」竹本源治の碑──「再び教え子を戦場に送るな!」戦後教育の原点となった詩
  • 日中不再戦の碑──日中友好協会が「不再戦」を祈念した碑建立・植樹祭運動
  • 台湾人戦争犠牲者の「霊安故郷」慰霊碑──植民地支配と戦争の二重の「犠牲」を考える
  • 太平洋戦争犠牲韓国人慰霊碑──日本軍の軍人・軍属として戦没した朝鮮人約二万柱を納骨
  • 元朝鮮人学徒兵が建立「大韓祖国守護一念碑」──「志願」させられた朝鮮人の独立∞統一≠ヨの願い
  • サイパン・テニアンの戦争関連碑──日本軍全滅・民間人「集団自決」・原爆搭載機の発進基地
地域別・本書に収録した石碑と銅像一覧



 
●担当編集者より

 「戦争遺跡に関する本はたくさん出ているが、戦争を刻んだ石碑を集めたら、何が見えてくるのだろうか」「日本人は石碑に戦争の何を刻もうとしたのか」――そんなことを考えたのがこの本を作るきっかけとなりました。
 この本は136ページの薄い本ですが、執筆者は48人、全国の社会科教師が所属する民間教育団体・歴史教育者協議会を通じて、原稿をお願いしました。
 原稿依頼にあたっては、幕末・戊辰戦争・西南戦争・日清戦争・日露戦争・第1次世界大戦・シベリア出兵・関東大震災・十五年戦争に関する石碑・銅像をリストアップし、時系列に並べて「通史的」に読めるように編集しました。
 石碑の碑文・銅像の建立の由来から、人々は戦争の何を後世に伝えようとしたのか、石碑に託した人々の思い、「日本人の戦争観」を読みとっていただけたらと思います。
 何気なく通り過ぎている公園や神社、道ばたに建つ碑・銅像を前にして、その建立に関わった先人たちの思いを知れば、ふだんの光景がまた違って見えてくるのではないでしょうか。
(真鍋かおる)


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