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写真で伝える東京大空襲の傷あと・生き証人
写真で伝える東京大空襲の傷あと・生き証人
鈴木賢士=写真・文
●46判176頁
●2007年3月1日発行
●本体価格1700円
●ISBN978-4-87498-377-5

ある人は孤児に、ある人は手を、足を失い、またある人は聴力を失い心と体に癒されぬ傷を抱えたまま戦後60余年を生きてきた。「軍人・軍属には手厚い補償があるのに、なぜ民間の被害者にはそれがないのか」――東京大空襲の被害者たちが国に補償と謝罪をもとめ、ついに裁判に立ちあがった!

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●目次


はじめに
東京都戦災消失地図
T 今も残る空襲の痕跡
  • 生き続ける浅草寺・飛木稲荷の焼けた大イチョウ
  • 焼かれたままの両国橋税務署あと
  • 区民の要望で保存された江戸川区文書庫
  • 美しい顔を焦がされた重願寺の無縁仏
  • 弾痕くっきりの石碑が並ぶ木母寺
  • 貴重な空襲遺跡の日立航空機立川工場変電所跡
  • 空襲で腕をもがれた青面金剛庚申像
  • 背面をえぐられた源正寺の墓石
  • 熱線で変形した「ガラスのうさぎ」たち
U 爆撃と炎に傷ついた人々の痛み
  • 右耳を削られた戸田成正さん
  • ケロイドでいじめにあった須藤祀久さん
  • 聴力を奪われた石山あい子さん
  • 失った手の先に感覚が……小暮たけ子さん
  • くるぶし貫通で3回も手術した馬場キクエさん
  • 指3本を複雑骨折した平田健二さん
  • 木片がももに突き刺さった小林弘司さん
  • 家族4人に続き、右手を失った豊村美恵子さん
V 心に残る肉親への思い
  • 大横川のいかだの上で一夜を明かした市川妙子さん
  • 写真で50年ぶりに家族と「再会」した飯田吉利さん
  • 大家族から戦災孤児になった伊藤光世さん
  • 母の亡骸に残された印鑑 ──松本重子さん・菊地良子さん
  • 陸士在学中、一家8人が死亡 ──田淵武正さん
  • 父の手帳だけが形見の丸田祐三さん
  • 孫・子に伝える個人誌13冊 ──辻 博也さん
  • 川の中で母と3人の肉親を失った斎藤キヨさん
  • 60年ぶりに受け取った小学校卒業証書 ──城森 満さん
  • 裁判を長年待ち望んでいた清岡美知子さん
  • 猿江恩賜公園で一夜を明かした鷲頭一男さん
  • 焼け跡に残った黒光りの大仏様 ──中村利子さん
  • 黒焦げの死体の下で助かった濱田春雄さん
  • 母と1歳の妹を失った西脇みのるさん
  • 厩橋近くのゴミ捨て場に逃げた小山正江さん
  • 2回目の被災で姉に焼夷弾が直撃した永井欽一さん
  • 浅草国際劇場裏の防空壕で命拾い ──野上秀雄さん
  • 女性の悲鳴が耳から離れない小島喜代松さん
  • 集団疎開から帰京直後に大空襲 ──砂田寿子さん
  • 海軍航空隊に勤務中一家全滅した酒井明四郎さん
  • 全国空襲都市一覧
  • 「みすてないで」と訴え続ける杉山千佐子さん(名古屋)
  • 大腿部切断に断端袋1枚だけ ──君塚節子さん(大阪)
  • 空襲パイロットを探し当てた諸星廣夫さん(甲府)
W「生かされたもの」の責任を背負って
  • 空襲の本当の姿を伝えるために ──堀切正二郎さん
  • 兄、姉、妹、そして母も ──築山 実さん
  • 母の思い出 ──中村俊子さんと4人のきょうだい
  • 慰霊碑建立の国会請願 ──滝 保清さん
  • 空襲火災から戸籍簿を守った藤田 昇さん
  • 「根津山小さな追悼会」の小田光野さん
  • 犠牲になった学友の慰霊碑を ──永井秀一さん
  • 3回の空襲を逃げ回った全盲の加瀬三郎さん
  • 墨田電話局・富沢きみさんの追悼碑を建てた近藤久美子さん
  • 東京大空襲を語り続ける西村信友さん
  • リアルな絵で惨劇を伝える画家の狩野光男さん
  • 同級生二人、生かされた者の責任 ──内山庄栄さん、小林健男さん
  • 仮埋葬地図・復元図を作成した大竹正春さん、斎藤亘弘さん
  • 若者たちの支援と自主的活動 ──P魂s
  • 海老名香葉子さんが呼びかけた上野の追悼集会
  • 話すことが務め ──85歳の橋本代志子さん
  • 何とかしなければ ──戦災孤児の金田茉莉さん
X ついに国を訴える東京の被害者たち
  • なぜ今、東京大空襲の裁判か ──中山武敏弁護団長に聞く
  • 戦争被害の実情を問う最後の機会
  • 軍人・軍族だけ保障して、民間被災者になぜ保障がないのか
  • 戦後、被害者を切り捨ててきた国の責任
Y 東京空襲につながった重慶大爆撃
用語解説
主な参考資料
あとがき




 
●担当編集者より

 この本の著者・鈴木賢士さんは、小社からすでに2冊の写真集を出されており、今回の本が3冊目です。
これまでの2冊は『韓国のヒロシマ』『中国人強制連行の生き証人たち』、そして今回の本は、東京大空襲の傷あとを追いかけたものです。

一夜にして(それもわずか2時間という短時間に)10万人が焼き殺され、100万人が焼き出されたという東京大空襲、その阿鼻叫喚は想像するだに怖ろしい光景です。
その空襲の悲惨は、高木敏子さんの『ガラスのうさぎ』や早乙女勝元さんの『東京大空襲』など数多く出版され、小社でも『15歳が聞いた東京大空襲』を刊行してきましたが、その一方、あの空襲で、心の傷はもちろん、体に大きな傷(障害)を負わされたまま戦後60数年、国からは何の補償もなく生きてこられた方がたくさんいるということを、どこまで知っているでしょうか。

片腕を失った人、足をなくした人、聴力を失った人、ケロイドでひどいイジメに遭った人……その被害者を一人ひとり訪ね、体験を聞き取り、カメラにおさめたのが今回の本です。

東京大空襲の被害者たちは今年3月、国に謝罪と補償を求めて裁判を起こしますが、鈴木さんの今回の本は、その貴重な証言記録となるはずです。東京大空襲のみならず、日本の起こした戦争という蛮行、その傷あとを執念ともいえる迫力でカメラで追い続けている75歳の写真家に心から脱帽です。
(金子さとみ)


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