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●目次
はじめに
- 外務省機密文書「日米地位協定の考え方」に見る日米関係の考え方
- 「増補版」の存在を突き止める
T 米軍ヘリ墜落事故──「主権なき国家」の実態
- 米軍による日本の「主権侵害」
- 事故対応に「差別」
- 世界一危険な基地「普天間」
- 安寧を蝕む「爆音禍」
U 日米地位協定とは何か
- 米軍占領の残滓
- 「運用改善」の限界と危険性
- 米軍優位の解釈
- 改定要求の「うねり」と日本政府
- 地位協定の国際比較
V 米軍優位の「増補版」
1 検証 日米地位協定の矛盾
- 「弱腰外交」/国内法曲げてまで
- 治外法権/「曲解」で国内法超越
- 訓練空域/低空飛行を許す土台に
- 労働条件改善/対米交渉に進展なく
- 裁判権放棄/住民狙撃≠ノ罰金刑
- 司法権侵害/米側追認をほおかむり
- 公務米軍人への裁判権/「認める解釈」明るみに
- 公共の安全配慮義務/戦車道建設問題触れず
- 米軍支援/国内法を変え戦車通す
- 環境汚染/認識ゼロの外務省
- 武器輸出/武器輸出三原則に地位協定が風穴
- 対米譲歩/強制送還の事実否定
- 過剰サービス/所有権移転の裏技≠
- 改定拒否/使われない条文
- 平時の協定/有事想定の「終了」条文
2 解説「日米地位協定の考え方・増補版」のポイント
- 一般的問題、一条──解釈で「歯止め」失う
- 二条、三条──基地は「免法特区」
- 五条から八条──違法でも「合法化」
- 九条から一二条──武器輸出も黙認
- 一三から一六条──税免除が多方面で
- 一七条──司法権侵害を認識
- 一八条──見解の相違を封印
- 一九条から二四条──協定違反の費用負担
- 二五条から二八条──「密室」で運用決まる
W 検証 日米不平等の源流
1 機密
- 秘密主義/米軍基地へ国内法適用せず、沖縄復帰で解釈拡大
- 治外法権/論理破たんの「法不適用」、住民被害は解決不能に
- 密約外交/文書は「裏合意」の宝庫、協定超える運用実現
- 県庁/外務省職員のバイブル、公表要求も反応示さず
- おもねる/基地被害 逃げ腰の政府、自治体の腐心と溝
- 虎の巻/対米交渉は内閣次第
- 本土の目/米追従の追及材料に
- 外務省改革/「米国隷属」に危機感
- マル秘指定/何でも秘密の外務省
- 「環境合意」非公表/汚染を防ぐ手だて奪う
- 国会論戦に臨む/改定目指す沖縄県出身議員
2 実態
- 環境行政の壁
- 跡利用の影
- 返還地の憂うつ
- 地中のドラム缶
- 横須賀基地12号バース
- 免罪符
- 米国の思惑
- 低空飛行
- 身柄引き渡し
- 都市型戦闘訓練施設
- 五分の一の自動車税
- 日米合同委員会
- Yナンバー車庫証明免除
- 仮ナンバー大量紛失
- 爆音賠償金未払い
- 遺跡破損
- 基地従業員
- 基地従業員ハンドブック
- 「思いやり予算」
- 忘れられた島
X 識者が読み、語る──機密文書と地位協定
1 識者が分析する機密文書
- 我部政明/解釈公開が国民益、米軍基地維持の論理展開 「非開示」が問題解決遅らす、法秩序からはみだす米軍の地位
- 本間浩/在沖基地の使いやすさに腐心、地位協定の運用限界を露呈
- 明田川融/草の根の改定要求、正当な権利の主張
2 焦点インタビュー=地位協定を問う
- 栗山尚一/運用改善が一番適当、他国と比べ不平等でない
- 比嘉良彦/米国に物言えぬ日本、「五十一番目の州」からの脱却必要
- 松沢成文/環境不安解消できず、安保の枠組みでの改定必要
- 久間章生/検証時期に来ている、交渉と米議会の賛同が必要
- 比嘉幹郎/占領時の不平等残る、「対米依存」政府に起因
- 前原誠司/政府は改定の意志を、党案バージョンアップを検討
- 稲嶺恵一/カギ握る国会議員、改定を阻む国民の無関心
Y 緊急フォーラム「日米地位協定を考える」
- 沖縄フォーラム/「検証 地位協定・不平等の源流」
- 東京フォーラム/「日米地位協定・改定の是非を問う」
日米地位協定関連略年表
あとがき
●担当編集者より
「琉球新報」の2004年1月1日付け、外務省機密文書「日米地位協定の考え方」スクープ記事を知ったのは、昨年の正月休み明けのこと。解説を書いた前泊博盛記者は、東京支社勤務当時から旧知の人でした。日を置かずに米軍優位の日米地位協定の実態を伝える連載、「地位協定・不平等の源流」が始まりました。およそ半年続いている間に、前泊記者に「この連載はまとめて単行本にした方がいいですね」と、何度かささやいてはいました。
前泊さんをキャップとする琉球新報社・地位協定取材班は、「日米地位協定の考え方・増補版」も入手し、それをもとに更なる連載「米軍優位の『増補版』」が開始されました。次から次に出る事実に忙殺される取材班。連載の「おわり」をやっと打とうとしていたところに、8月13日の沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事件が追い討ちをかけました。
まさに“日米不平等のあからさまな実態”が、沖縄国際大学で繰り広げられたのです。
8月14日、日本ジャーナリスト会議の授賞式のために上京した前泊さん、自分は東京にいていいのだろうかという思いがあったでしょう。でも、沖縄の現実を伝える機会と考え、笑いを誘いながらの受賞スピーチは、聴衆を引き込みました。このとき8か月に渡る連載をまとめるだけでなく、米軍ヘリ墜落事故については新原稿を入れて、日米地位協定の問題点をより鮮明にすることを決めました。
琉球新報社には出版部もあります。全社的キャンペーン報道だから、もしかするとそこで単行本にするのかと思いましたが、「高文研で出せば一応全国流通できる、沖縄県内にいくら発信しても沖縄の痛み、苦しみを日本全国に伝えにくい、全国配信をしよう」という申し入れに、快く応えてくださいました。深く感謝したいと思います。
先の授賞式の後、琉球新報社にはいくつかの出版社から出版申込みがあったと聞いています。前泊さんと長く細く付き合っていたこと、そして高文研の沖縄シリーズの1冊目の『観光コースでない沖縄』の筆者のひとり、高嶺朝一さんが現在は琉球新報社の事業担当役員をしているなどの人脈にも恵まれて、刊行の運びになりました。
さあ、これからは全国に少しでも広めることで、「沖縄と本土の温度差」を埋める役割を果たしたいと思います。さいさきよく、「朝日新聞」の他にも「軍縮問題資料」「ジャーナリスト」などに紹介されました。どうぞご一読の上、沖縄の現実をみつめてください。
(山本邦彦)
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