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「日の丸・君が代」処分 緊急出版
「日の丸・君が代」処分
東京の学校で何が起こっているか
「日の丸・君が代」処分編集委員会=編
●四六判・208ページ
●2004年7月発行
●本体価格1400円
●ISBN4-87498-327-8

 東京の学校で、いま恐ろしい事態が進行している。発端は、昨年東京都教育委員会から出された「10・23通達」だった。その内容は──、
《学校が行う卒業式・入学式等では、壇上正面に「日の丸」を掲げて全員がそれに正対し、起立して「君が代」を斉唱せよ》
 これに従わなかったとして、都教委は二百人を超える教職員を処分、定年後の再雇用を約束した嘱託員8名を解雇、そればかりか生徒が多数起立しなかったという理由で、57人を実質処分した……。
 都教委による“戒厳令”的状況下にある学校現場の現状とともに、思想と良心を踏みにじられた教師、保護者らの苦悩の証言をここに伝える!
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●目次

T 苦悩する教師たち──1
  • ピアノ伴奏を強制される音楽教員の苦しみ
  • もう一度生徒の待つ教室に帰りたい!
  • 危惧されるこの国の行方、周年行事で処分を受けて
  • 悪夢の40秒間、思い出したくない屈辱の日
U 「日の丸・君が代」強制処分・その経過と「予防訴訟」
  • 周年行事で起きたこと/卒業式で起きたこと/生徒の「内心の自由」に踏み込む
  • 「予防訴訟」は何を求めているか
V 養護学校の衝撃と苦悩
  • 養護学校に突きつけられた過酷な「10・23通達」
  • 障害をもつ子らの晴れの日をなぜ壊すのですか
  • 子どもたちの実態無視の式は間違っている
W 動き出した保護者たち
  • もう、黙っていられない! 保護者で広げた九千筆の署名
  • 崩されていく自由の伝統、子どもたちが危ない
X 苦悩する教師たち──2
  • “地の塩”として、恥じない生き方をしたい
  • 教師人生ただ一度の不起立、許せなかった教育への「強制」
  • 私がピアノを弾けば生徒に歌うことを強制する
  • 開式直前まで迷い苦しんだ卒業生担任の私
  • 苦悩の末の起立、教職員を追いつめる「強制」
  • 生徒の“内心の自由”にまで介入した都教委の“暴挙”
Y いま何が問われているのか
  • いま抵抗しなければ、歴史が逆転させられる ──弁護士・澤藤 統一郎
  • 「日の丸・君が代」戒厳令が狙うものは何か? ──東大教授・小森 陽一



 
●担当編集者より

 東京都立学校の卒業式・入学式等で「君が代」斉唱時、起立しなかったとして248名にものぼる先生たちが処分されたことは、ご存じの通りです。中でもショックを受けたのは、「生徒の多くが起立しなかったのは教師のせい」として、67名もの先生たちが「厳重注意」「注意」「指導」などの“処分”を受けたことです。
 ある学校では、生徒会主催で「なぜ国旗掲揚なのか、なぜ国歌斉唱なのか」という討論会を行い、そこに先生方も参加して白熱した討論を展開したのですが、そこで私の知人の先生は「学習指導要領を逸脱した不適切な言動があった」として、「厳重注意」の対象となってしまいました。
 「生徒の不起立は教員のせい、生徒が起立しなかったら教員を処分する」「日の丸・君が代について教師は余分なことを生徒に語ってはいけない」――そんな世の中を私たちはいつのぞんだのでしょう。
 「戒厳令下」とも言われる現在の東京の教育現場。この実情をどうしても多くの人に知ってもらいたくて、この本ができあがりました。昨年秋、都教委から「10・23通達」というものが出されて以降の生々しい学校現場の実情を伝えると同時に、その中で苦悩した教師・保護者らの痛切な声を中心に収めたものです。
 ピアノ伴奏を強制される音楽教員の苦しみ。ただ一度の不起立で、新学期から約束されていた採用を取り消された嘱託教員(このように重い処分は全国に例がない)。「君が代」を強制されることは、他の宗教行事に参加を強いられること、どうしても容認できないと言うクリスチャン教師……。
 養護学校では、これまでのように対面式の卒業式が認められず、重い障害を抱えた生徒まで壇上で証書を受け取るべきとの都教委の指示に、わざわざ何十万円もの費用をかけて特設のスロープを用意せざるをえませんでした。
 しかし迷い、苦しんだのは、不起立を通した先生だけではありません。その瞬間、座ることができなかったある先生は、「なぜ私は座れなかったのか、苦しくて涙が出ます。今なお、自分は偽善者であるという気持ちが消えないのです」と、その苦しい胸の内を告白しています。
 ここまで教師を追いつめ、生徒にまで「日の丸・君が代」を強制する背景に何があるのでしょうか。この本の最終章で、これら一連の背景を分析した澤藤弁護士はこう締めくくっています。――いま抵抗しなければ、本当に歴史が逆転させられる。旧憲法下へ。踏み絵の時代へ。
「日の丸・君が代」強制の背後に、無気味な歴史の逆転を連想させられているのは、澤藤弁護士一人ではないと思います。この国の行くえを考える「警告の書」として、この本を手にしていただきたいと思っています。
(金子さとみ)


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