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日本と韓国・朝鮮の歴史
これだけは知っておきたい
日本と韓国・朝鮮の歴史
中塚 明=著
●四六・208ページ
本体価格1,300円
2002年6月発行
ISBN4-87498-284-0

「つくる会」教科書のような歪んだ排外主義歴史観を克服し、事実にもとづく歴史認識を国民的常識とするために、名著『近代日本と朝鮮』をもつ日朝関係史の第一人者が、古代から現代までの歴史の中から基本的な事項22項目を選んで、平易・明快に説いた入門書
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●担当編集者より   ●カバーギャラリー(お立ち寄りください)
●関連書籍
朝鮮王妃殺害と日本人 | 第2版 未来をひらく歴史 | 観光コースでないウィーン | 歴史修正主義の克服 | ドイツは過去とどう向き合ってきたか

●目次


第I部 いま、なぜ「日本と韓国・朝鮮」なのか
  1. 「韓国」「朝鮮」という呼び方
  2. 日本にいちばん近くて「遠い国」
  3. 韓国・朝鮮との関係を抜きには語れない日本の近・現代史
  4. いま、なぜ六〇数万人もの「在日韓国・朝鮮人」がいるのか
第II部 これだけは知っておきたい日本と韓国・朝鮮の関係
  1. 現代に生きている古代の日本と朝鮮の関係
     ◆統一国家の成立と朝鮮蔑視観の萌芽
  2. 日本への蒙古襲来と高麗の対モンゴル抵抗
     ◆三〇年もモンゴルに抵抗しつづけた高麗
  3. 豊臣秀吉の朝鮮侵略
     ◆とぎれることのなかった朝鮮蔑視観
  4. 「朝鮮は眠っていた」というのは本当か
     ◆大陸の影響を色濃く受けた朝鮮の歴史
  5. 「征韓論」とその批判
  6. 江華島事件──ペリーの黒船と同じことをしたのか
     ◆不平等条約「日朝修好条規」の中身
  7. 日清戦争は「朝鮮独立」のための戦争か
     ◆日本軍の最初の武力行使は朝鮮王宮の占領
  8. 日清戦争は中国との戦争だけではなかった
     ◆東学農民軍の再蜂起、全国的な抗日闘争へ
  9. 日露戦争、そして朝鮮の植民地化へ
     ◆英米に日本の韓国支配を認めさせる
  10. 朝鮮での植民地化反対運動                 
  11. 「韓国併合」──「韓国を廃滅して帝国領土の一部となす」
  12. 三・一独立運動
     ◆堤岩里事件と朝鮮のジャンヌダルク柳寛順
  13. 日本の植民地支配は朝鮮の近代化を進めたのか
     ◆在日朝鮮人の飛躍的増加
  14. 朝鮮支配と切り離せない「満州事変」
  15. 侵略戦争の拡大と朝鮮人の「皇民化」
     ◆「創氏改名」の強制で起きた悲劇
  16. 「敗戦」と「光復」
     ◆「敗戦」直後の朝鮮と南北分断
  17. 朝鮮戦争と日本
第III部 未来のために歴史を語り合おう
  1. 日本では、なぜふるい朝鮮観をひきずっているのか
  2. 歴史教育・歴史研究をふりかえって
     ◆久米邦武事件
     ◆「任那日本府」と「広開土王陵碑」をめぐって
  3. 未来のために歴史を語り合おう
あとがき



 
●担当編集者より

 本書の企画を立てたのは昨年春、例の「つくる会」の教科書が文科省の検定をパスしたころのことです。神話が繰り返し登場し、教育勅語の全文が掲載されたこの教科書の出現はまさに“歴史の亡霊”が現れたようなショックでした。同時に、隣国にたいする偏見・蔑視が露骨に表現されていることに、言うに言われぬいらだちを覚えました。
 中塚先生には、すでに2冊の本(『偽造の歴史をただす』『歴史家の仕事』)を高文研から出版させていただいています。上京された中塚先生と話しているうちに、何とか「つくる会」教科書の偏見・蔑視を学問的真実によって打ち砕いていくような本ができないだろうか、ということで意見が一致しました。
 当初は、できるだけ早く、「つくる会」教科書の問題が尾を引いている間に、と思っていましたが、そのうちに、この問題はきわめて根が深く、そう簡単に克服できることではない、むしろ腰を落として、事実に基づく歴史認識が“国民的常識”として定着していく、その礎石となるような本が必要なのではないか、と考えて、企画を練り直し、再出発したのが秋のことでした。

 読者対象として中心に据えたのは、若い人たちです。「中学生にも読めるような本にしましょう」とは、中塚先生の方から言い出された言葉です。「中学生にも……」というのは、それから私たちの合言葉のようになりました。
 全体の構成も、普通の「通史」の形をとるのではなく、私たち日本人の中にしみついてしまっている隣国への無意識の蔑視・偏見を打ち砕くという出版意図から、「設問形式」にしました。たとえば、「『韓国』『朝鮮』という呼び方」「『朝鮮は眠っていた』というのは本当か」「江華島事件−−ペリーの黒船と同じことをしたのか」「日本の植民地支配は朝鮮の近代化を進めたのか」といった具合です。
 もちろん、全体を通して読めば、「通史」となっており、日本と韓国・朝鮮の関係史のエッセンシャルな事項についてしっかりとわかるような構成になっています。

 中塚先生は日朝関係史の第一人者ですが、ご専門は近代史です。今回の本は古代、中世までを含んでいますので、その点はご苦労があったようです。古代史の部分を執筆するに当たってはご親交のある古代史の大家、門脇禎二先生などのご意見もうかがわれたと聞きました。また近代史の分野でも、在日の歴史家、朴宗根先生や、朝鮮史研究会の仲間、宮田節子先生などのご意見も聞かれたとのことです。
 したがって、本書は入門書ではありますが、その記述内容は学界の到達点をふまえたものとなっているといってよいと思います。

 さて、合言葉の「中学生にも……」ですが、これが実は最大の問題となりました。入門書とはいえ、レベルを落とさずに、限られたスペースで基本事項を記述するのですから、どうしても堅くなってしまいます。
 しかし、せめて高校生程度には、ということで、中塚先生の人脈で京都の高校生4人に原稿を読んでもらい、分かりにくい点を指摘してもらいました。お陰で先生は(たぶん本を執筆して初めてのことと思いますが)これまで自明のこととして使っていた用語をまったく初心者向けに書き直される羽目になったのでした。「中学生にもわかるように……」。言うのは簡単ですが、実行はまさに至難のことなのです。

 ところで中塚先生には『近代日本と朝鮮』(三省堂)という名著があります。1969年の初版発行ですから、すでに33年読まれ続けていることになります(現在第3版)。実は、最初に三省堂新書の1冊として出版されたこの本の編集を担当したのが、当時同編集部にいた私でした。その3年後、私は三省堂を退社して仲間と高文研を設立、独自に出版を開始しました。その後、25年、私は出版活動の上で中塚先生と再会、『歴史の偽造をただす』を出版させていただいたのでした。そして今回、『近代日本と朝鮮』に重なるこの本を出版させていただいたのです。
 長いこと編集者をやっていると、こういうこともあるのです。
 『近代日本と朝鮮』は文字通りロングセラーとなった名著ですが、今回の『日本と韓国・朝鮮の歴史』(この書名自体にこの30年間の“歴史”が反映されています)も、それに負けないロングセラーとなって読み継がれることを祈っています。
梅田正己


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