| 異議あり!都立高校の統廃合【立ち読みコーナー】 | |||||
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編著者 都立高校のいまを考える全都連絡会編集委員会 全都連絡会は1999年8月に発足。都立高校の統廃合問題を契機に各地域などでつくられた会の関係者(保護者、卒業生、教師、市民など)が、都立高校を守り、東京の高校教育を発展させる運動の推進と、そのための交流と情報交換を行うことを目的として結成。これまで4回の大きな集会(「都立高校の統廃合と高校教育を考える」)を主催している。 國松芳美(東京都公立高校PTA連合会元副会長) 乾 彰夫(東京都立大学) 城宝 保(東京都立文教高校) 三浦久美子(東京都立高校PTA連合会前副会長) ■ はじめに 統廃合に異議あり!―2回の都民集会 1. 第二次実施計画策定の狭間で――1999年10月1999年10月1日・都民の日に、“都立高校をつぶさないで!”と、高校生・保護者・教職員・地域住民など600名の熱い想いが池袋の豊島公会堂にこだました。 この日の“集い”は、6月29日に該当校(案)が発表された都立高校統廃合・改編の「第二次実施計画」が、10月14日の東京都教育委員会(以下、都教委)で正式に策定される直前という緊迫した時期に開かれた。また、8月2日に発足した都立高校のいまを考える全都連絡会(以下、全都連絡会)が主催する初めての「都民集会」でもあった。 午後6時20分、97年の「第一次実施計画」で統廃合該当校となった明正高校の生徒・卒業生・保護者・教職員が一体となって奏でる勇壮な和太鼓が響き、集会が始まった。 主催者である全都連絡会からの経過報告が終わると、70名を超える高校生が客席のあちらこちらから壇上へ。99年の「第二次実施計画」で統廃合該当校となった北野高校T君の司会で、68歳の芝商業高校定時制 3 年生が、戦争で学校に行けなかったと定時制の存続を訴えたのをはじめ、高校生が次々と発言。 財政赤字を教育に押しつけないで 「私は志村高校が統廃合され、新しい単位制の高校になるということを新聞で知った時、思わず、『なぜ?』という言葉が浮かびました。クラブ加入率が8〜9割もあって、生徒は伸び伸びと、楽しみながら学校生活を送っています。伝統と個性のある母校をどうして無くそうとするのか。 2つの高校をつぶして1つの学校にすると、例えば100人都立に入れるところが50人になってしまう。残り50人は、お金のかかる私立か、遠くの都立に行かなければなりません。そうすると、経済的に余裕がない人は高校に行けなくなってしまいます。 これ以外にも、現在私立学校への助成金を減らすということも進められていて、これでは本当に高校に行きたいのに行けない人がでてきてしまうと思います。さらに定時制もたくさんつぶされ、これでは働きながら、夜、学校に行くということもできなくなります。 東京都の赤字財政を、これからの日本に一番大切な子どもの教育に押しつけるのはどういうことなのか、すごく悔しいし、怒りを覚えています。今日はたくさんの人が会場に来ているので、みんなで声を大きくして、統廃合反対、頑張っていきましょう。」 高校生は統廃合にノー 「私たちの館高校は創立20周年を迎え、それを機に、制服検討委員会が設置され、制服の改正に向けて動き出しました。また、先日行われた文化祭には悪天候にかかわらずたくさんの人が訪れ、大成功に終わりました。一般の方の反応もとてもよく、中学生からは『ぜひ 館高校に入学したい』という声も聞けました。 しかし、東京都は統廃合計画を進め、その中で私たちの学校をつぶそうとしています。 校内では生徒会と有志によって、統廃合反対の署名を行いました。その結果、半数以上の生徒から署名を集めることができました。つまり過半数の生徒が母校をなくしたくないと考えているのです。 私たちにできることはとても限られていますが、できる限りのことはしたいと思います。そして一言いいたいことは、私は先生や生徒を含め、館高校が大好きなので、この学校を絶対なくしたくないということです」など、該当校の生徒10名から怒りの訴え。 該当校になっていない学校の生徒7名も、 「今の高校生は卒業できるのだから関係ないと言われたが、弟や妹たちの為にも都立高校を無くさせない」「統廃合は該当校だけの問題ではない」と、該当校の生徒と同じ思いでいると訴えた。 高校が不足しているのに統廃合は変 続いて会場には、「学校は学びたい人、教えたい人がいるから成り立つもの。無駄に使うお金は惜しいが、教育に使うお金は惜しくない」と、山田洋次監督のビデオメッセージが流れた。 該当校の保護者からも、 「都への意見書採択の陳情が市議会の委員会で否決されたが、あきらめずに議員さんに働きかけ、本会議では逆転して可決された」「高校が余っているのならまだわかるが、不足しているのにつぶすのは許せない。子どもたちのために 1%でも可能性があればあきらめない」などの発言が、9時過ぎまで続いた。 最後に全都連絡会事務局から、「『はじめに統廃合ありき』から出発した『改革推進計画』を許すわけにいかない」というアピールと、都立高校統廃合・改編反対の都議会請願署名に取り組むとの提案が、600名の拍手で確認された。 2. 再びこだました熱い想い――2000年10月そして、00年10月28日。 再び、“都立高校をつぶすな!”という300名の熱い想いが、吉祥寺の武蔵野公会堂でこだました。“なにが問題 都立高校の統廃合・私たちが望む高校改革”をテーマに、全都連絡会が主催した2回目の「都民集会」だ。 午後6時30分、「これまで98年10月以来、実行委員会主催の3回を含めて全都的な集いを4回行った。今日は5回目、特に昨年の「都民集会」で提起した都議会への請願署名を一筆でも多く集め、都教委に統廃合計画の見直しを迫るという課題を抱えている」との、経過報告で集会が始まった。 経過報告が終わると、4名のパネリストが壇上に。 私たちが望む学校像の創造を 元東京都公立高等学校PTA連合会副会長の稲吉さんは、 「97年7月に『第一次実施計画』該当校(案)が発表されたときには、二人の子どもの母校である国分寺高校の名前がなかったので、該当校のPTAの方たちはびっくりしているだろうなと、他人事にしか思っていませんでした。 しかし8月になり、国分寺高校を『地域のニーズ』に応えて進学重視型単位制高校とする計画を知り、地域のニーズとは何なのか、どういう目的で国分寺高校を進学重視型単位制にするのだろうか、これから必要なのは予備校型の高校ではないのではないか、誰が望んだのだろうか、というような疑問が沸々とわいてきたのです。 PTAに深く関わった一人として、本当に2、3人から、生徒や保護者を含めた学校関係者の意向を大事にしてもらいたいと、統廃合・改編問題に関わり始めました。それがいまこうした輪となって広がってきています。 都立高校の統廃合について、小学校・中学校の保護者の方へはほとんど知らされていないことを実感しています。統廃合・改編問題への取り組みは、私たちがどんな子どもを育てるのか、どんな学校を望み、創るのかを問う運動ではないでしょうか。本当に、おかしいことはおかしいと言える大人の姿を子どもたちに見せて行きたいと思って、活動を続けております」と、統廃合問題は、私たちの望む学校を創造する運動と話した。 なぜ情報開示ができないの? 「第二次実施計画」で統廃合該当校となった志村高校同窓会長の鳥井さんは、 「7月に、同窓会・PTA・PTAOB・教職員・旧教職員などの5者で『志村高校を存続させる会』を発足させ、夏の暑い中奮闘し、3ヶ月程で統廃合反対の署名を約5万5千筆集めました。それにもかかわらず、99年10月14日に、都教委は統廃合計画を策定しました。正直申し上げて、非常に落胆をし、何を言っても全然聞いてくれないのじゃないかという、無力感に包まれました。 しかし、他の該当校の方々と交流する中で、『第二次実施計画』策定後も、いろんな方々が、地域地域において、異議申し立てを続けていることがわかり、統一の都議会請願署名に取り組むことになりました。そして、00年6月に都立高校統廃合計画の見直しを求める該当校連絡会(以下、該当校連絡会)が正式に発足しました。 該当校連絡会の署名では、私たちの願いを一点に絞ってます。都教委が、地域住民、学校関係者の意見を聞かずに、情報開示もせずに統廃合計画を進めることに反対しているだけです。そういう意味では、情報開示を求めながら一緒に議論を、ということです。 00年の夏休み直前に行われた『新しい高校の中間のまとめ説明会』についても、地域の自治会長さん、町会長さん、小中の関係者の方々などに、丁寧に、広範囲に呼びかけてはいない。都立高校の再編計画は、地域住民にとっても、私たち該当校廃校関係者にとっても非常に大きな問題です。跡地の問題を含めて情報開示し、議論をしていく問題であると思います。 この間、この運動に関わってきた中で見えてきたことは、統廃合問題は教育改革ではない。これは財政改革そのものではないだろうかということです。金のかかる教育はやめようということを、都の方がはっきりとおっしゃっていただければいい。そうであれば、私たちもそれを基本的な視点に据えていいたいことは言える。 『一人はみんなのために、みんなは一人のために』、皆さんとともに頑張っていきたいと思います」と、統廃合は財政問題であることを強調した。 手を携えて教育を守る 定時制高校教員の由井薗さんは、 「都立高校の統廃合攻撃は、92年秋に定時制高校から始まりました。 都教育庁は、93年度からの3ヶ年で、1年生の募集人員を7,000人から4,000人に減らすとして、廃校・廃科を打ち出したのです。その理由としては、経済効率が上がらない、少人数教育は効果が上がらないなどということを述べておりました。 これに対し、私たちの組合である東京都高等学校教職員組合(以下、都高教)が学校ごとの守る会結成を提起し、定時制高校のほぼ半分にあたる50数校で守る会が結成されました。地域での署名や区議会請願などが進められ、94年3月には、都立定時制高校を守る会連絡会が発足しました。 守る会連絡会は、都立高校長期構想懇談会(以下、長期懇)が96年1月に発足すると、都議会各会派や都教委とあわせて、長期懇に対しての要請行動を行いました。この取り組みもあり、長期懇『答申』には、現在行われている定時制教育の良さを大事にして検討すべきだということなどが書かれました。 しかし、都教委は、定時制高校が働く者の学校でなくなった、役割は終わったとして、大規模な統廃合案と教育予算削減を打ち出してきております。 統廃合に関しては、97年の「第一次実施計画」、99年の「第二次実施計画」を合計するだけで31校の定時制高校を統廃合、あるいは単純廃校しようとしているのです。今後も「第三次実施計画」や石原都知事の「東京構想 2000」によって、更に大幅な定時制の削減が行われていくという恐れがあるわけです。 教育予算削減について一例をあげますと、定時制高校がアットホームな学校であるとすれば、それをもっとも象徴するのが、食堂で給食を教員も生徒も一緒に食事をする。温かいものを食べている。それが自校方式だと思います。その給食が打ち切られようとしております。 いま都立高校の教職員全体にかけられている管理攻撃はすさまじいものだと思います。 定時制高校では職員の数が少ないですから、職員会議でも直接民主主義的に一人の生徒のこともみんなで議論しあい、みんなで取り組むということもやって来ました。それが、校長のリーダーシップの確立の名の下で、職員会議を都教委の考え方を押しつける場に変質させようとする動きも急速に強まってきております。さらに、教職員を 5 段階に評価し、業績評価につながる人事考課制度も出されてきております。 この様な職場をめぐる状況のなかで、定時制の現場におりますと、定時制の教員をやっていくのがいやになるような毎日です。けれども私たちは、生徒と保護者と、地域の皆さん、卒業生の皆さんと一緒に手を携えて、元気を出して定時制教育を守り続けなければならないと思っております」と、定時制高校を守る会の取り組みと定時制をめぐる状況について話した。 国際的に見ても異常な40人学級 日本教育学会の「学校・学級の適正編制に関する総合的研究」(編制研)プロジェクトチームに参加した三島さんは、そこでの研究を中心に紹介するとして、 「アメリカでは、クリントン大統領(当時)が98年1月27日の議会への『年頭教書』で、小学校の低学年(1年、2年)を18名学級にする。そのため、7年間で10万人の教師を採用し、120億ドル予算化すると発表し、大きな衝撃を与えました。 00年3月に日本で行われたG8の教育会議に参加したアメリカのライリー教育長官は、アメリカで行われている18人学級推進の中で、大規模クラスに比べて、児童どうしの友情、学校と親とのつながりがより親密になり、教育効果がはっきり表れている、と言っております。 アメリカの高校の学級規模はどうなのか。奈良教育大の八尾坂氏の資料を見ますと、ミズーリ州は上限33、望ましい基準が28人、ハワイ州が上限20、カリフォルニア州が上限25などとという数字が出ています(93年現在)。 フランスについては東北大学の夏目氏が、リセ――日本でいう普通高校ですか――上限が35人で、公立高校が29.3人、私立高校が25.6人というのが平均値だと紹介しています。 では、日本はどうか。40人学級のまま進む姿勢を崩していません。 文部省の『教職員配置の在り方等に関する調査研究協力者会議』が最終報告を出しました。ここで30人学級にしない理由として二つあげています。一つはお金がかかるという財政上の理由。もう一つは、学級規模を小さくしたからといって子どもの学力が向上するとは限らないということです。 松山大学の藤井氏の研究によれば、イギリスでも、保守党政権のサッチャー首相及びメジャー首相は日本と同じような理由をあげていたそうです。しかし、97年に、私には政策が三つある。第一が教育だ、第二が教育だ、第三も教育だと言って労働党が勝利し、今のブレア内閣が誕生しました。 ブレア首相は、アメリカのテネシー州のスタープロジェクトと言われる実験結果を高く評価している。クラスサイズと学習成績について相関があるという研究です。 しかも、『幼児期から小学校3年生までの4年間を、平均15人程度のスモールサイズクラスで授業を受けた子どもたちの学力は、22人から26人までの学級編制の子どもたちよりはるかに良く、その後においても継続的な効果が顕著にみられる。また、教育困難地域などにスモールサイズを導入すれば、顕著な効果をあげることができた』(テネシー州立大学『クラスサイズと学習成績に関する長期研究についてのその後の成果』)ということです。 そしてブレア内閣は、01年から小学校低学年の5・6・7歳の学級規模を30人にするという法律を国会で通しました。当然、財源の問題が出ますけれども、私立中等学校進学奨励金制度というエリートのための奨励金を廃止して財源にまわしたのです。 日本の文部省(当時)は、テネシー州のスタープロジェクト研究については研究があるということは認めます――それは国際的に周知されていることですから――。しかし、『学級規模と学力とは関係ない』という考え方は変えませんでした。 イギリスの姿勢と、今の日本の姿勢との違いは明確だと思います。イギリスの場合は、相関がないというデータを取るのではなくて、あるというデータを取って、それにともなう財政保障をしたというところが違うわけです。日本の場合は、相関関係がないだけを主要な原因にして、後は一切耳を貸さないという態度のところに、国際的に見ても異常な40人学級というのが現在あるわけです。 学級規模の縮小ということと、学校の統廃合をやめさせるということは極めて重要な内容だと思います。しかも、国際的にも確認されているというなかで、私たちは日本の中でも頑張らなければいけない」と、話された。 パネリストの発言に続いて、フロアーからのリレートークが続いた。 思い出の詰まった母校 高校生は、統廃合問題を多くの人に知ってもらおうと訴える。 「3年間というとても長い時間で友人たちとともに学び、築きあげてきた思い出の沢山詰まった水元高校が無くなってしまうのはとてもつらく悲しいことです。 統廃合問題が出てきて最初のうちは、どうせ無くなる学校だからとあきらめムードが蔓延し、学校を大切にしない生徒もいました。生徒総会を開き統廃合について理解してもらい、これから僕たち水元高生が何をするべきか、何ができるのかをよく考え、行動していくと決めました。 この計画を白紙にもどしてもらうために沢山のことをしました。生徒会を中心に、一般生徒に協力してもらい月に1度のペースで駅前署名を行い、地域の人たちにも反対を呼びかけたり、他校との交流会のときに他校の生徒会に呼びかけたりしました。おとといの木曜日にも金町駅で署名活動をし、1時間で300もの署名が集まりました。 僕たちの水元高校を守るために、沢山の人の水元高校を無くさないでという声が集まるよう、僕にできうることを一生懸命頑張っていきたいと思います。」 高校に行けない子が減るように 「今日の集会に参加して、都立高校の統廃合についてのいろいろな発言を聞き、石原都知事や東京都は、子どもたちのことを考えているのかと、すごく怒りを感じました。 私が通う稲城高校は第二次実施計画で、05年に近くの南野高校と統廃合されます。このことが発表されて初めて統廃合というものを知り、東京都の無茶苦茶な計画を知りました。自分たちの高校が無くなってしまうなんてと、ショックを受け、こんな計画をやめさせなくてはいけないと思い、運動をしています。 一人でも多くの人に、こんな無茶苦茶な計画があるということを知ってもらいたいと思います。そして、少しでも高校に行けないという子が減るように、東京都にしてもらいたいと思っております。」 該当校だけの問題ではない 「私の通う永山高校は統廃合計画に該当していません。でもこの問題は該当校だけでなく、都立高校全校に関わってくる問題だと思います。 永山高校の生徒会では、近年になっていろいろな行事や活動などに力を入れるようになってきました。そんななか、私たちは去年都立高校統廃合についての話を聞きました。その中には永山高校から最も近い稲城高校と南野高校の統廃合の話も出ていました。永山高生として協力できることはないだろうかと思い立って、去年、ビラ配りや、稲城高校生と話し合いをしたりしました。そして今日は、みんなで雨の中、ビラ配りや署名を一緒にやりました。このことが、少しでも力になれたらと思っています。 今日の“集い”があると聞いて、去年もらった資料を見て思ったことですが、この計画について、何よりも高校生や今から進学をしようと思っている中学生や、地域の人たちの意見をほとんど聞かずに計画を実行するのはやっぱりおかしいなと思いました。これからも統廃合問題について話し合いをしていったりして、協力していきたいと思っています。」 子どものことを考えていない計画 高校生の発言を皮切りに始まったリレートークでは、該当校保護者や都内各地域からの発言、全国状況の中での東京の統廃合問題を位置づけた発言、東京都公立高等学校PTA連合会(以下、都高P連)が実施したアンケートから「都民のニーズ」を分析した発言、東京都の教育政策に関わる発言などが続いた。 統廃合該当校の保護者は、「一次計画の時にはバラバラで運動していたが、運動が広がり、全都の連絡会ができたことは画期的であり、頼もしく思う」「小中学校の子どもたちのためにも頑張っていかなければいけないと思っている」「住民とか、都民とか、子どもたちのことを考えないで統廃合が進められていくことに憤りを感じる」など、今の想いを率直に語った。 地域から学校の存続を求めて 地域の会からは、 「町田では、土地探しも含めた住民の運動で70年代から5校を新設してきた。いまは該当校がないが、第三次実施計画も予定されているので名前がでてからでは遅いと、5月25日に会を発足させた」「統廃合の該当校となった八王子高陵高校をつくるとき普通高校を求めたが、ニーズにあった高校としてコース制高校にするといわれた。それが10数年で廃校になることに怒りを覚える」 「3学区では、2回目の区議会陳情に取り組んでいる。計画が強行されても、地道に運動を続けることが第三次実施計画を阻止し、該当校を浮上させないことにつながる」などの決意が、次々と語られた。 大阪から、埼玉から、連帯を込めて また、この日の「都民集会」では、全国で吹き荒れている高校統廃合の嵐を反映して、大阪府の「門真の3つの高校を存続させる会」からは、「本日の皆様方の集会が都立高校の統廃合に待ったをかける運動の跳躍台となり、皆様方が望む高校改革の運動が大きく発展していくことを心より願っています」という連帯のメッセージが寄せられた。 お隣の埼玉県からは、生徒15人という県立寄居養護学校が地域を巻き込みマスコミにもとりあげさせて廃校を阻止した、「小さな小さな学校が、埼玉全体を大きく動かした」経験を踏まえた連帯の挨拶が行われた。 リレートークを受けて、4人のパネリストのまとめの発言が行われ、熱気あふれる「都民集会」が散会したのは9時をまわっていた。 * * * 都立高校の「統廃合・改編」計画は、関係者や地域への丁寧な説明のないまま、あまりにも拙速に行われている。都議会文教委員会では他県の例と比較して批判され、教育庁の説明責任も追及されている。そして、延べ21の意見書(要望書2含む)が市区議会で採択され、東京都知事・東京都教育委員会委員長宛に提出されている。 該当校の保護者からは「唐突すぎる」「どうして、うちの学校なのか」などの疑問が続出している。それに対し、教育庁から納得のいく説明はされていない。 00年7月に行われた「第二次実施計画」にもとづく「新しいタイプの高校等基本計画検討委員会中間のまとめ説明会」(「第一次実施計画」では開催していない)においても、参加者からの「施設・設備は」「メリットを言うがデメリットは」などの質問についても、明確な回答はされなかった。 水元高校を守る会は01年6月に、過去最高の参加者で「第3回・水元高校の存続を求める総決起集会」を開いた。 全都連絡会は、01年6月に行われた都議会議員選挙に向けて「立候補予定者へのアンケート」と「立ち会い演説会的集会」を行った。該当校連絡会と全都連絡会は、それぞれ2回目の都議会請願署名を開始した。そして、10月27日には3回目の「都民集会」を開く。 都教委及び事務方である教育庁は、「都立高校改革推進計画」=都立高校リストラ計画の「第三次実施計画」を、「推進計画」総まとめの意味も含めて02年度に策定するとしている。 都立高校改革推進担当部長は、都立高校リストラ計画の出発の号砲をならした『新しく生まれ変わる都立高校――都立高校白書――』を学務部高等学校教育課長として編集した山際成一氏である。01年4月1日、教育庁は定数削減が行われている東京都のなかで都立高校改革推進担当課長を1人から3人に増員した。01年6月から7月にかけて、都立高校の全校長を対象に、「第三次実施計画」に向けたヒヤリングを行った。 本書では、三次まで実施計画が続くとされる都立高校の大規模なリストラ計画=「都立高校改革推進計画」の問題点と、「推進計画」をめぐる東京の動向を草の根のからの市民運動に視点をあてながら、特徴的な動きを報告する。
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